Qちゃん「感動の42キロ」スマイルラストラン

[ 2009年3月9日 06:00 ]

名古屋国際女子マラソンで、沿道の観客に手を振りながら走る高橋尚子さん

 【名古屋国際女子マラソン】とびっきりのQちゃんスマイルが春の日差しに映えた。笑みを浮かべ、手を振り続けた42・195キロ。昨年10月に現役を引退し“ありがとうラン”として臨んだ高橋さんは、大きな声援を浴びながらフィニッシュ。ゴールにはシドニー五輪で一騎打ちを演じたシモンと高橋さんにあこがれて陸上を始めた新谷が、スタンドでは大勢のファンが帰りを待っていた。「感動の42キロでした。走り終えるのがもったいないくらい。沿道に笑顔の花が咲いた。春一番を感じられた」と春を呼んだ2時間52分23秒を振り返った。

 世界選手権選考会でもある今大会での顔見せには、葛藤(かっとう)もあった。引退した自分が注目を浴びていいのか――。批判も覚悟の上で支えてくれたファンに直接、感謝を伝える道を選んだ。「1000回くらい『ありがとう』ってつぶやきながら走らせてもらいました」。今後は子供たちへのクリニックの開催、知名度を生かしたエコ活動などに取り組む。「一言で言うとチャレンジです」。98年にマラソン初優勝を飾った思い出の尾張路から、金メダリストが新たなスタートを切った。

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2009年3月9日のニュース