虚脱感とは無縁!吉田 際立つ強さで6連覇

[ 2008年10月13日 22:43 ]

55キロ級で6連覇を達成し、メダルを手に笑顔の吉田

 レスリングの女子世界選手権最終日は13日、東京・国立代々木競技場で2階級を行い、55キロ級で吉田沙保里(綜合警備保障)が女子では最多に並ぶ6度目の優勝を6大会連続で果たした。吉田は五輪2連覇を含め2002年から8大会連続の世界一となった。吉田は初戦から3試合連続でフォール勝ちし、決勝は相手のテチアナ・ラザレワ(ウクライナ)が第2ピリオドの途中で負傷のため棄権した。

 【レスリング 女子世界選手権55キロ級】吉田の強さだけが際立った。初戦から3連続フォール勝ちで迎えた決勝も、第2ピリオド1分過ぎでラザレワを棄権に追い込んだ。4試合の試合時間は合わせて約4分30秒。「地元の世界選手権で勝てて良かった。応援が力になった」。涼しい顔で感謝を口にした。

 金メダル確実といわれた重圧をはねのけ、連覇を達成した北京からまだ2カ月。五輪後は虚脱感に襲われるメダリストが多い中、吉田は9月にはマットに戻っていた。

 父の栄勝さんは「活躍して名前が出ることで、所属の企業から支援を受けている。出られる大会に出るのは当然」ときっぱり。26歳の女王はそんな要求にさらりと応じ、優勝を決めたマット上で父を肩車するパフォーマンスで親孝行した。

 今大会は各国とも若手が多く、北京五輪メダリストは吉田を含め3人だけ。第一人者として順当な結果を残した吉田は「ロンドン五輪が現役最後になるかもしれない。わたしがレスリングをやれる時間は少ない。一生懸命やっていれば4年はあっという間だから」。最強の選手が最高の意識で、自らを磨く。勝ち続ける理由は、そこにある。

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2008年10月13日のニュース