男子も無念 粘り見せるも…

[ 2008年1月31日 06:00 ]

韓国に敗れ、天を仰ぐ宮崎

 【五輪アジア予選 日本25―28韓国】“中東の笛”により異例のやり直しとなったハンドボールの北京五輪アジア予選の男子は、日本が韓国に25―28で敗れ、88年ソウル大会以来20年ぶりの五輪切符獲得はお預けとなった。最大6点差をつけられながら2点差まで詰め寄る粘りを見せたが、前日の女子に続いて韓国に北京行きを阻まれた。日本は5月の世界最終予選(5月30日~6月1日)で再び五輪切符獲得に挑む。

 完全燃焼して日本は負けた。残り15分で6点差をつけられながら、その後8分間は無失点。2点差まで詰め寄り、満員となった会場を沸かせた。相手のエース尹京信(ユン・ギョンシン)も体を張って止め続けたが、最後は個人技に勝る韓国にディフェンス網を破られ、20年ぶりの五輪切符獲得はならなかった。
 選手の目からはすがすがしい涙が流れた。中川主将は「前回は涙も出なかったけれど、今回は自然と涙が出た。今まではスポーツはこれでいいのかかっとうがあった。次につながる涙だと思う」と目を真っ赤にして充実感を口にした。昨年9月に愛知・豊田市で行われた北京五輪アジア予選のクウェート戦では、イラン人審判による「中東の笛」で27―29で敗れ、北京への道を閉ざされた。やりきれない思いを抱いていたが、今回は公正な判定の下、両軍フェアプレーを貫いての接戦の末の力負けだった。
 昨年12月の予選やり直し決定以降の騒動で、ハンドボールは思いも寄らぬ注目を集めることになった。前売り券はアッという間に売り切れ、1万人を超える観衆の熱気はサッカーにも負けなかった。その中で、エース宮崎は厳しいマークにあいながらもチーム最多の5得点と奮闘。ハンドボールのメジャー化を訴えてきた男は「最初にコートに立った時は鳥肌が立った。応援を聞いて、闘志がわきました」とファンに感謝した。5月には世界最終予選が控える。「結果を出せば、もっとメジャーになる。最終予選ではファンの声援に応えたい」と宮崎。ハンドボールの灯を消さないためにも日本はラストチャンスに懸ける。

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2008年1月31日のニュース