土佐豊 史上最速タイ、6場所で十両へ

[ 2008年1月31日 06:00 ]

十両昇進を決めてガッツポーズの土佐豊

 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で大相撲春場所(3月9日、大阪府立体育会館)の番付編成会議を行い、十両昇進力士を発表。土佐豊(22)=本名・森下祐哉、時津風部屋=、北勝国(22)=本名・林英明、八角部屋=の2人が新十両となった。再十両は旭南海(30=大島部屋)と磋牙司(26=入間川部屋)。土佐豊は板井と並ぶ史上最速タイ(幕下付け出しを除く)の6場所で昇進。時太山問題に揺れる名門に明るい話題を提供した。

 高鳴る鼓動を抑えきれなかった。午前9時すぎ、不安になった土佐豊は時津風部屋の2階から3階に駆け上がり、師匠の部屋の扉を叩いた。「(十両に)上がってたぞ」。時津風親方(元幕内・時津海)の言葉がモヤモヤを吹き飛ばした。喜びのあまり、付け人を務める幕内・時天空の部屋の扉も叩き、兄弟子を驚かせた。史上最速タイの6場所昇進。「何か悪いことをしたみたいですが、素直に喜びたい。順調すぎる感じ」と目を細めた。
 前相撲からスタートし、初場所では幕下以下では前人未到の30連勝を記録した。しかし、その後まさかの2連敗。14日目に敗れてからの3日間は眠れない日が続いた。それだけに「ケガとか悩みなど、いろいろあったからうれしいです」と感慨深げだ。時津風部屋は時太山問題の影響で、兄弟子3人が2場所連続で休場中。近日中にも愛知県警が前親方らを立件する可能性も高まっている。その状況で明るい話題をもたらした新星は「一番若い自分が盛り上げて、少しでも引っ張っていければ」と話した。
 しこ名の「豊」は昨年2月3日に死去した祖父・隆治さん(享年84)の戒名からもらった。相撲好きだった亡き祖父への最高の孝行を果たし「いい報告ができます」と、午後の飛行機で故郷・高知に凱旋した。時折、つりも見せるなど右四つの力強い相撲は将来性も十分。「投げと速攻相撲に磨きをかけたい」。記録男のスピードは今後も加速していくはずだ。

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2008年1月31日のニュース