騒動に動じず朝青龍“初顔26連勝”

[ 2008年1月17日 06:00 ]

呼び出しにに力水をつけてもらう朝青龍

 ハプニングにも動じず、不敗神話を守った。大相撲初場所4日目、横綱・朝青龍は平幕・豪栄道を会心の相撲で下し、「初顔26連勝」を飾った。取組では水をつけるはずの付け人が間に合わず、呼び出しが代役を務めるハプニングにも見舞われたが、抜群の集中力と気迫で若手ホープを退けた。4大関が全敗する波乱の土俵の中で横綱・白鵬は栃乃洋を一蹴。全勝力士は白鵬と平幕・普天王の2人となった。

【4日目結果
5日目取組


 結びの大一番を迎え、緊張感に包まれていた支度部屋に突然、ば声が響き渡った。「何やってんだ、早くしろ!」。顔を紅潮させながら世話人の伊予桜が、朝青龍の付け人の三段目・輝面龍を催促する。輝面龍は横綱に水をつける役だったが、何を勘違いしたか、支度部屋で待機していた。慌てて準備をするが時既に遅し。緊急事態の土俵では、呼び出しの重太郎が代役を務める前代未聞の事態が起きた。
 基本的に水をつけるのは前の取組の勝ち力士で、負けた側は次の取組の力士が行う。しかし、最後の取組となる結びで勝ち残りが不在の時は、その力士の付け人が担当する。この日の西方は結び前の琴欧洲、栃乃洋が連敗。朝青龍には輝面龍が水をつけなくてはならなかった。朝青龍は異変に関し「そうなの?気にしなかったよ」と平然と語るが、もし負けていたら大爆発は必至だった。
 自身の取組は勇み足で敗れ、結びでは出遅れ。踏んだり蹴ったりの1日に輝面龍は「うっかりしていました」とひたすら頭を下げたが、そんな土俵外の騒動にも動じることなく、朝青龍は期待の新鋭をねじ伏せた。この日は物議を醸した左足首のテーピングを「黒」から「肌色」に替えて登場。右の張り手から左を差し込むと、右上手を引き付け、相手を半身にさせた。頭をつけながら前に出ると、最後はつり気味に放り出した。
 これで、初顔には26連勝。格の違いを見せつけた横綱は「稽古と本場所は違うからね。それなりに集中してやりましたよ。流れ的にもいい感じだな」と余裕も見せた。連日、何かが起こる朝青龍劇場。“それでも”か、“だから”かはさておき、お騒がせ男は着々と本来のリズムを取り戻しているようだ。

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2008年1月17日のニュース