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ガーシー容疑者 現金なしスマホ1台“手ぶら帰国”資金差し押さえなら再び無一文

[ 2023年6月6日 05:20 ]

 インターネットの動画投稿サイトで芸能人ら3人を脅迫したなどとして、暴力行為法違反(常習的脅迫)などの疑いで逮捕された元参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)が帰国した際、スマートフォン1台のみの“手ぶら帰国”だったことが5日、捜査関係者への取材で分かった。

 一時は動画配信で荒稼ぎし「ドバイの王族になるという夢がある」とまで豪語。しかし、捜査関係者によると、滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)から事実上の国外退去処分を受け急きょ帰国したとみられ、Tシャツに短パン、サンダル姿で現金も持っていなかった。動画配信で得た資金に違法性があれば差し押さえの可能性もある。自著では、国外脱出前に「110円のジャリ銭しかなかった」と記しているが、再びスッカラカンになる恐れもありそうだ。

 容疑者を巡る金の流れは警視庁も注目している。主な収入源は暴露動画の広告収入と、会員制サロン「GASYLE(ガシる)」の会費。YouTubeなどの動画配信は、1再生数0・05~1円の広告収入が得られる。広告収入を巡っては昨年6月、所属していた旧NHK党(政治家女子48党)の立花孝志氏が「月収4500万円くらい」と暴露したことも。容疑者のYouTubeなどのアカウントは、警察の働きかけで既に凍結されており、昨年9月にはGASYLEを立ち上げた。会費は月30ドル(約4200円)。4万人以上の会員がいたとされ、運営費などを除いても1億円近い収入があったとされる。

 収益は広告収入を管理する会社の実質代表の口座に入った後、容疑者の妹名義の口座や他の関係者らに配分されていた。妹名義の口座が容疑者の実質的な資金管理口座だったとみられ、今年3月、兵庫県内の容疑者の実家に家宅捜索が入った。

 捜査関係者は「脅迫による収益とみなされたり、マネーロンダリングなど違法性があれば、動画配信で得た資金は差し押さえができる」とみている。警視庁は容疑者が所持していたスマホを押収。解析し、動画製作の経緯などを調べる。

 4日夜に接見した弁護士は5日までにライブ配信で、容疑者が「動画を配信したことは事実なので、やったことはやったということで(捜査に)協力する」と弁護士に話したと明らかにした。

 ▼元東京地検特捜部副部長・若狭勝弁護士 刑事事件で、脅迫そのものによって得たお金でなく、今回は動画を見た人から得た間接的な収入。ただちに差し押さえはできないかもしれない。しかし、悪質性を表す状況証拠として金の流れを捜査して、組織的な犯罪収益と見なされると差し押さえられる可能性がある。

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2023年6月6日のニュース