吉野家「生娘シャブ漬け」発言の常務解任 株価一時急落、黒字決算も投資家嫌気
吉野家ホールディングス(HD)は19日、早大主催の社会人向け講座で若者を狙ったマーケティング戦略に関して「生娘がシャブ漬けになるような企画」と、女性を蔑視し人権を無視する不適切発言をした、牛丼チェーン吉野家の伊東正明常務(49)を18日付で解任したと発表した。
吉野家HDは18日深夜、急きょ臨時取締役会を開き、吉野家HDの執行役員と子会社である吉野家の常務解任を決めた。19日に発表した書面では「本日以降、当社と同氏との契約関係は一切ございません」と切り捨てた。
伊東氏の発言は社内外に波紋を広げている。吉野家は、19日に予定していた親子丼発売の新CM発表会を中止した。株価にも大きな影響を与えた。HDの株価は、前週の決算発表が黒字だったこともあり、18日午前には年初来高値を更新。しかし同日午後、伊東氏の発言が公になり下落。19日は一時前日比4・3%安の2309円と大幅続落し、2020年10月12日以来、1年半ぶりの日中下落率を記録した。終値は前日比40円安の2373円だった。
早大によると、当該講座の受講をキャンセルする人も出ている。早大は「受講料を全額返金する」としている。伊東氏が社外アドバイザーを務めていた総合コンサルティング企業アクセンチュアも、同氏との契約を解除した。
伊東氏は外資系日用品大手のP&Gでブランドマネジャーなどを歴任。洗濯洗剤アリエールをヒットさせるなど「敏腕マーケター」として業界では有名な存在。3月にはTBSのバラエティー「ジョブチューン」に吉野家の代表として出演していた。
経済ジャーナリストの松崎隆司氏によると「そもそも、女性を含めた顧客層の拡大のために吉野家にヘッドハンティングされた」という。トレーニングジム・ライザップとコラボレーションした「ライザップ牛サラダ」など女性も好む商品や、店舗の改造などに取り組み業績を上げていたが「女性への考え方の本質を露呈した。吉野家への影響は計り知れない」とみられている。
一方で、伊東氏を解任した吉野家についても「反社会的な発言で、本来ならトップが謝罪会見を開くぐらいの内容だが、本人を辞めさせて終わり。企業体質が問われても仕方がない」とした。自身の発言の影響を読めなかったマーケティングのプロ。暴言の代償は大きく広がっている。
《10年かけ親子丼開発》この日、新CM発表会が予定されていた「親子丼」は同社が「開発に10年間尽力した」とアピールしていた商品だった。発表会はCM出演するタレントの藤田ニコル(24)が登場予定だった。親子丼は、予定通り19日から販売開始。新CMは22日から放送される。












