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【小野伸二引退】気遣いが生んだ受け手に優しいパス 練習でも上がった驚嘆の声

[ 2023年9月28日 05:26 ]

01年、囲んだファンに丁寧にサインする小野伸二
Photo By スポニチ

 【記者フリートーク】日々の何げない練習で、同じプロ選手から驚嘆の声が上がる選手は他にいない。鳥かごといわれるボール回しでは一人だけボールにバックスピンをかけトラップ。練習後には2人一組でロングパスをよく行うが、ボールにバックスピンをかけたり、足の甲にピタリと止めたりする。長い距離のパスをここまで足元に収める技術は、まさに神業だと思った。

 人柄も素晴らしく、気遣いも“天才的”だった。遠征のバスで隣の席の選手が乗る前にドリンクを買って置いておくなどは日常茶飯事。記者は何度か食事の場で同席させてもらったが、最年長の小野自ら上着をハンガーにかけてくれたり、料理を率先して取り分けたりしてくれた。

 それは練習場のピッチでも変わらない。全体練習前のリラックス時間などで、近くにいる人にパスを出しリターンをもらう。それは選手相手だけではない。一人でポツンと立っている通訳や、ホペイロ(用具係)らにもパスでコミュニケーションを図る。この気遣いこそが、受け手に優しいパスを出す秘訣(ひけつ)だと感じた。
(15年~札幌担当・青木一平)

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