×

欧州9シーズン目 元日本代表・森岡亮太は、なぜ海外で戦い続けるのか 「キャリアが終わっても…」

[ 2023年6月14日 07:00 ]

自主トレに励むシャルルロワMF森岡亮太
Photo By スポニチ

 【スポニチ蹴球部コラムFootひと息】16年1月に海外へ渡った森岡亮太(32=シャルルロワ)に先日、話を聞く機会をもらった。「なぜ海外で戦い続けるのか」。18年3月以降は日本代表に招集されていない。昨年はろっ骨骨折の影響もあったが22試合3得点3アシスト。昨年12月26日アンデルレヒト戦以降はスタメン出場がなかった。

 日本に帰国する意思はないのか。Jリーグでキャリアを続ける気持ちはどうなのか。

 答えは明白だった。

 「キャリアが終わっても、こっちで住みたいと思っている。ポーランドとベルギーしか知らないけど住みにくさは感じません。日本の調味料とかもすぐ手に入る。日本人コミュニティーも近くにあるので助かっています」

 感じているのは「欧州の方がストレス少なく生きているような気がします。日本人よりも自分の欲求に素直ですね」。ヨーロッパの人たちは主張が強く、苦笑いさせられることもある。しかし、文化や考え方の違いをストレスと認識せず、それぞれの個性と捉えている。日曜日は多くの店が営業していないが「それなら事前に買い物にいけば良いこと」と笑い飛ばせる。

 2児の父親として、教育環境も見逃せなかった。ベルギーの主な公用語はフランス語とオランダ語。インターナショナルスクールには子どもが世界各国から集まり、英語教育は充実している。今では自分より子どもの方が英語を流ちょうに話す。多様性が認められる社会で「いろいろな考え方を学べるのは大きい」と強調する。

 欧州にこだわる最大の理由はサッカーに対する姿勢にある。

 「個人的には上のリーグにいきたい思いはブレてはいません。日本代表に戻りたい気持ちもあります。でも日本代表に呼ばれるだけではなく、そこで良いパフォーマンスを見せたい。そのために、ここにいるんです」

 近日中に離日し、シャルルロワのキャンプに参加する。欧州9シーズン目。「シャルルロワはなかなか日本でも放送されないので、結果を出さないと、良いニュースを発信できない。応援してくださる方々に一つでも明るい話題を届けたい」。日本屈指のファンタジスタは、欧州で本当の輝きを放つことだけを見据えている。(飯間 健)

 ◇森岡 亮太(もりおか・りょうた) 1991年(平3)4月12日生まれ、京都府城陽市出身の32歳。京都・久御山高から10年に神戸入団。攻守で高い技術と強さを持ち、中盤ポジション全てでプレー可能。16年1月にシロンスク・ウロツワフ(ポーランド)へ移籍。その後も海外を舞台に活躍し、19年1月からシャルルロワ(ベルギー)に所属する。国際Aマッチ通算5試合0得点。1メートル80、72キロ。

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「日本代表(侍ブルー)」特集記事

2023年6月14日のニュース