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新潟・伊藤涼太郎 劇的ハット 後半アディショナルタイムに2発!0―2から逆転で8位浮上

[ 2023年4月16日 04:42 ]

明治安田生命J1リーグ第8節   新潟3―2福岡 ( 2023年4月15日    デンカS )

初のハットトリックを達成した新潟MF伊藤(右)
Photo By スポニチ

 J1新潟がMF伊藤涼太郎(25)の劇的ハットトリックで今季初の逆転勝利を飾った。0―2の後半2分に鮮やかな直接FKを決めると、アディショナルタイムにも立て続けに2点を挙げ、プロ初のハットトリックを達成。ホームで福岡に3―2で競り勝った。チームは4試合ぶりの勝利で勝ち点を12に伸ばし、8位に浮上した。

 最後まで諦めない強い気持ちが、プロ初のハットトリックを呼び込んだ。2―2のアディショナルタイムも既に5分。「引き分けで終わるつもりはなかった」。伊藤の執念がボールを呼び込んだ。MF松田の右からのクロスを相手DFがクリア。そのこぼれ球が転がってきた。「とにかく枠を狙った。力まずに」と右足を振り抜くとボールはネットに突き刺さった。記念すべきハットトリックが値千金の決勝弾。1、2点目は表情を崩さなかった伊藤だが、この時ばかりは感情を爆発させた。

 前半は全く新潟らしさを出せず、PKとCKから失点。0―2と劣勢に立たされた。ハーフタイムで松橋監督は「殴られて倒れていたらダメだ。殴られたらしっかり立ち上がらないとダメだ」と選手たちを奮い立たせた。伊藤も「このまま終われないと思ったし、前半フラストレーションがたまってイライラしていたので、絶対に勝ってやろうと思っていた」という。

 後半開始直後の一撃がその強い気持ちを表していた。「GKがファーに寄っていたのでニアで強く振り抜いたというか、いいコースに行った」と鮮やかなFKを決める。さらにアディショナルタイム突入後の3分には、FW谷口とのワンツーから右足で決めて同点弾を叩き込んだ。

 伊藤は試合後、記念の試合球を小脇に抱えて現れた。「シュート練習のおかげだと思うし、もっともっとうまくなりたいのでこれは続けていく」。そう話す姿はサッカー少年がそのまま大きくなったように感じさせる。「今日は、本当にしんどかった。家に帰ると愛犬がめちゃ激しく出迎えてくれるんですけど、今日は勘弁してほしい。でも癒やされたい」。この時だけは表情が緩んでいた。

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2023年4月16日のニュース