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中村俊輔氏 欧州CL分析 Eフランクフルト逆転8強キーマンは「鎌田くんしかいないでしょ!」

[ 2023年3月14日 04:30 ]

欧州CL決勝トーナメント1回戦のEフランクフルトーナポリ戦に出場した鎌田(ロイター)

 【月刊中村俊輔 3月号】昨季限りで現役を引退し、今季から横浜FCのコーチに就任した元日本代表MF中村俊輔氏(44)が、サッカーの魅力を語り尽くす随時掲載の新企画「月刊中村俊輔」がスタートする。第1回は欧州CL決勝トーナメント1回戦のEフランクフルト―ナポリを分析。日本代表MF鎌田大地(26)の奮闘むなしく、Eフランクフルトがホームで0―2で敗れた第1戦を振り返り、8強入りが懸かる15日(日本時間16日)の第2戦を展望した。

 俊輔氏もセルティック時代に活躍した欧州CLは、今も欠かさずチェックする世界最高峰の舞台だ。鎌田、長谷部が所属するEフランクフルトは8強を懸けてセリエAで首位を独走するナポリと対戦中。ホームの第1戦は0―2で完敗したが、俊輔氏の目にはどう映ったのか。

 「ナポリがほとんど試合を支配していた。トラップする、そこから目の前の敵をはがす、ドリブルができるのは、圧倒的にナポリだった。Eフランクフルトの場合はそこではがせないから、サポートの距離が短くなったり、すぐ囲まれたり…。戦術とかではなくて、個々の能力、全体の質でナポリが圧倒的に上回っていた」
 中でも目を引いたのが、ロボツカ、ジエリンスキ、アンギサの3ボランチという。

 「ポジショニングが臨機応変で、ボールが右にある時に、3人とも右に行くこともある。その時の左サイドバックの位置も面白い。好き勝手、感覚でやっているようで、みんな連動している。アンギサは身体能力があって、サイズもあるし、ポジショニングもいい。細かいこともできる。あれはビッグクラブに獲られると思う」

 一方、鎌田は後半37分に攻撃の起点となり、最後は自ら左足でフィニッシュするなど孤軍奮闘した。

 「空気感とかレベルとかは、(ナポリの選手に)追いついていると思う。プレーに余裕もある。でもやっぱり、チーム全体がうまくいかないと、試合には勝てない。終盤は一発でスライディングに行くこともあり、ちょっと(集中力が)切れていた感じを受けた」

 では、Eフランクフルトが第2戦で逆転するには何が必要か?
 「W杯カタール大会の日本代表じゃないけど、粘り強く守っているうちに、相手は“0―0でいいんじゃない?”みたいに緩んでくることもある。一方で試合を支配する相手が点をなかなか取れなかったら“あれ?”となることもある。そんな雰囲気をつくり出せば、何かが起きると思う」

 期待は当然、チームで唯一、可能性を感じさせた鎌田だ。

 「鎌田くんにはできるだけボール触ってほしいけど、代表の時に似てくる。我慢して、数少ない攻撃でパスをつないで前に行けるか。鎌田くんしかいないでしょ!」

 果たして森保ジャパンの司令塔は期待に応えられるか。そのプレーから目が離せない。

 ▽Eフランクフルト―ナポリ第1戦VTR 2月21日、ホームのEフランクフルトは前半36分にGKが相手PKを阻止するも勢いに乗れず、その4分後に失点。後半13分にはエースのフランス代表FWコロムアニが一発退場となり、同20分に追加点を決められた。フル出場の鎌田は惜しいシュートを放つなど奮闘したが不発。長谷部は出番がなかった。Eフランクフルトの逆転突破にはアウェーの第2戦で3点差以上の勝利が条件。90分で2戦合計が同点となれば延長戦となる。

 ≪俊輔氏×鎌田 特別対談 アーカイブ配信で視聴可能≫俊輔氏は2月からWOWOWで特別対談シリーズ「中村俊輔プレミアムトークセッション」をスタートした。その第1回となった2月12日放送では、鎌田との対談が実現した。鎌田が出場した昨年のW杯カタール大会をはじめ、今季の欧州CLの振り返りや今後の展望などについて熱いトークを展開。ファン必見の対談はアーカイブ配信の視聴が可能となっている。

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2023年3月14日のニュース