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アーセナル・冨安、サラー封殺 プレミア今季初先発は左SBで大仕事、森保Jのエースキラー完全復活

[ 2022年10月11日 04:45 ]

プレミアリーグ   アーセナル3―2リバプール ( 2022年10月9日 )

<アーセナル・リバプール>サラー(左)と競り合う冨安(AP)
Photo By AP

 アーセナルの日本代表DF冨安健洋(23)が9日、ホームのリバプール戦で今季リーグ戦初先発を果たし、3―2の勝利を支えた。本職ではない左サイドバックで昨季プレミアリーグ得点王のエジプト代表サラーを封じ、過密日程で公式戦2戦連続フル出場。11月20日開幕のW杯カタール大会に向け、コンディション面の不安を払拭した。

 最大の見せ場は前半14分に訪れた。左サイドでサラーとマッチアップ。股を抜いてペナルティーエリアに進入しようとした相手エースの前にうまく体を入れながら反転し、クリーンな守備でボールを奪取。リーグ得点王3回のストライカーを封じ、満員の6万観衆から「スーパー・トミ」の大合唱が起こった。

 「期待通りの素晴らしいプレーを見せてくれた。サラー相手に考えるのと、実際にやるのは全く違う話」とアルテタ監督。難敵リバプールを退けて首位を守り、冨安を称えた。

 リーグ戦初先発となったこの日は負傷したジンチェンコの穴を埋めるため、定位置だった右のサイドバックではなく左でプレー。それでもデュエル勝率7割でサラーを自由にさせず、後半24分に途中交代に追い込んだ。利き足とは逆の左足でロングパスも通すなど抜群の安定感を見せ、英紙サンはチームで2番目に高い8点と採点。「監督の大胆起用を正当化した」と称えた。

 コンディション不良を抱えたままシーズンを迎えた冨安は、リーグ戦ここまで8試合のうち出場7回がいずれも終盤から。1試合平均の時間は10分程度だった。9月下旬の日本代表遠征でも出場1試合で「クラブ事情のため」合宿を離脱。故障回避へ慎重な管理態勢をうかがわせた。しかし、ここに来て6日の欧州リーグ・ボデグリムト戦から中2日で2戦連続フル出場。中3日で1次リーグの試合が続くW杯を控える中、上向きな状態を自らピッチで証明した。

 ≪両ふくらはぎ痛に苦闘 6月代表活動は“リハビリ”≫冨安の苦闘が始まったのは昨年12月18日のリーズ戦だった。15戦連続先発したが、右ふくらはぎを負傷して後半18分に退き、アルテタ監督は「筋肉系のトラブル」と明かした。

 その後は年明けに強行出場で復帰と故障再発を2度繰り返し、1~2月のW杯予選招集を辞退。2月19日のブレントフォード戦でベンチ入りもその後の練習で逆の左ふくらはぎを痛め、3月のW杯予選も外れた。

 4月23日のマンチェスターU戦で約3カ月ぶりに復帰したが、5月16日のニューカッスル戦で右足を気にする様子を見せて前半39分に交代。翌節のエバートンとの最終戦は太腿裏の張りで欠場した。

 6月には日本代表に復帰も、4試合で出番なし。今季アーセナルではプレシーズンマッチで出場がないまま開幕を迎え、8月5日の開幕クリスタルパレス戦はベンチ外だった。

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2022年10月11日のニュース