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青森山田が圧巻6発 小嶺忠敏さん率いた国見以来の4大会連続決勝進出

[ 2022年1月9日 05:30 ]

第100回全国高校サッカー選手権準決勝   青森山田6―0高川学園 ( 2022年1月8日    国立 )

<青森山田・高川学園>試合前、小嶺忠敏さんを偲んで黙とうする両チームイレブン(撮影・西海 健太郎)
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 準決勝が行われ、決勝は大津(熊本)―青森山田のカードに決まった。青森山田は高川学園(山口)に6―0で大勝。3大会計9得点とするキャプテンのMF松木玖生(くりゅう、3年=FC東京加入内定)の追加点や、DF丸山大和(3年)の2得点などで猛攻し、相手の“嵐”を封じた。4大会連続の決勝進出は、7日に死去した小嶺忠敏さん(享年76)が国見を率いた00~03年大会以来。頂点へあと一歩に迫った。

 国立の空に向け、松木は喪章を包んだ両手を高く掲げた。「高校サッカーを築いてきた方。そういった方に向けた得点だった」。後半12分、DFの間を猛進し、角度のないペナルティーエリア右から突き刺した強烈な左足ゴール。高校サッカー界を代表して小嶺氏にささげたチーム3点目が、勝負を決めた。

 過去3試合は序盤の動きが硬く「もっと青森山田らしいサッカーをしよう」がテーマだった。前半3分、26分に正確なセットプレーからリードを奪うと、以後も鋭い攻守の切り替えと球際の強さで圧倒した。相手はセットプレー時に選手がぐるぐる回る「トルメンタ(スペイン語で嵐)」を生かして勝ち上がってきたが、与えたCKはゼロ。嵐を起こす間も与えなかった。

 1988年のちょうどこの日、小嶺氏が以後黄金期を築く国見を初優勝に導いた。背中を追って指導者になった黒田剛監督(51)は「本当に素晴らしい師匠で見本となる方」と回想。4年連続の決勝進出は03年度の国見以来となり「国見の全盛期を青森山田が担うくらいの気持ちで101回大会につなげていけたら。それが小嶺先生に対する感謝の気持ちです」と続けた。

 青森山田は前々回、前回と準優勝。三度目の正直には、全国高校総体、高円宮杯プレミアリーグEASTに続く3冠が懸かる。「大津は選手権の中でも強敵。まだ自分たちは選手権で何も成し遂げていない」と松木。“新黄金時代”のたすきを、優勝で引き継ぐ。

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2022年1月9日のニュース