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欧州移籍市場もコロナショック…エムバペ211億円→41億円 5分の1に大暴落か

[ 2020年4月21日 06:00 ]

パリSGのフランス代表FWエムバペ(AP)
Photo By AP

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、サッカー選手の市場価値(移籍金)が大幅に下がる可能性が高まっている。欧州各国リーグ、欧州カップ戦の長期中断を受けてクラブは大幅な収入減に直面しており、緊縮財政の影響が今夏以降の移籍市場に出ることは必至。既にドイツの移籍専門サイト「トランスファーマーケット」では選手の市場価値下落を10~20%と推定しており、さらに暴落するとの見方も出てきた。

 欧州サッカーで右肩上がりだった“移籍金バブル”が、新型コロナウイルスを契機に一気に崩壊することになりそうだ。注目を集めたのはフランス出身の欧州議会議員、コーンベンディット氏の発言。17日付のフランス紙ウエストフランスで「(コロナ)危機はプロスポーツの不合理を一掃する。エムバペの移籍金は2億ユーロ(約234億円)ではなく、3500万~4000万ユーロ(約41億~47億円)になるだろう」と私見を披露した。

 17年にパリSGへ移籍したエムバペの移籍金は、出来高を含め史上2位の1億8000万ユーロ(約211億円)。3500万ユーロ(約41億円)なら約5分の1に暴落することになる。原因はクラブの財政危機だ。ドイツ誌キッカーによると、リーグが再開できない場合、ドイツ1部全体の損失は7億9000万ユーロ(約924億円)にのぼり、1部と2部の計36クラブのうち13クラブが6月までに破産する危険性があるという。

 “金満”プレミアリーグでさえ選手に給与3割削減を求め、スペイン1部の名門バルセロナとRマドリードも選手給与を削減するなどクラブの生き残りが最優先で、ドイツリーグのザイフェルト会長は「今夏の移籍市場は崩壊するだろう」と予想する。Bミュンヘンのヘーネス会長は「1億ユーロの移籍金は想像できない。下落は2、3年で戻るレベルではなく、全く新しいサッカー界になる」とした。

 専門サイト「トランスファーマーケット」は23歳以上の選手の価値下落を20%、22歳以下を10%と試算。全世界では92億ユーロ(約1兆764億円)もの価値が失われたという。同サイトで現在の世界最高はエムバペの1億8000万ユーロ。今夏の移籍が噂される同僚のFWネイマールや、トットナムのFWケーン、ドルトムントのFWサンチョら大物選手の移籍金が実際にどう推移するのか、大きな注目を集めている。

 ≪いつ開くかも不透明…期間変更可能の指針≫今夏の移籍市場がいつ開くかも不透明だ。欧州主要リーグの予定は7月1日~9月2日だが、中断中の各国リーグは再開の見通しすら立っておらず、6月末までに全日程が終了しない可能性が高くなってきている。FIFAは7日に「想定した時期に今季を終えられないのは明白」として、移籍期間を各リーグの新日程に応じて変更可能とする指針を発表している。

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