×

【J1キーマン・FC東京】FW矢島輝一 涙の一夜を経て「恩返し」の誓い

[ 2018年2月20日 11:13 ]

左膝前十字じん帯の負傷からカムバックを期すFC東京のFW矢島(右)
Photo By スポニチ

 青赤のユニホームに再び袖を通すまで、どれだけの人に支えられたか分からない。中大から加入した下部組織出身のFW矢島輝一(22)は、全日本大学選抜でドイツ遠征中だった昨年3月に左膝前十字じん帯断裂で全治8カ月の大ケガを負った。特別指定を受けた16年にFC東京U―23でプレーし、J3で1得点。プロへの明るい未来を描いていた時だっただけに、「就職活動と同じ時期。怖かった」。絶望感が襲い、夜通し泣いた。

 負傷したドイツ遠征中、ドルトムントとシャルケのユニホームが関係者を通じて届けられた。香川からは「逆境に負けるな」、内田からは「ひざのケガ仲間」との直筆メッセージ。多くの人が自分を励ますために動いてくれたことがうれしかった。リハビリ中も大学の太鼓を叩いて応援し、街で試合の告知のビラも配った。「人間的に成長できたのが強み」。人が支え合う重みを知った。

 FC東京も信じて契約してくれた。「味スタでゴールすることが自分のスタート。恩返しがしたい」。一回り大きくなってピッチに戻ろうとしている男がいる。 (大和 弘明)

 ◆矢島 輝一(やじま・きいち)1995年(平7)4月6日生まれ、東京都八王子市出身の22歳。八王子CBXク、FC東京U―15むさし、同U―18から中大を経て今季加入。大学3年時の16年には特別指定を受け、U―23チームの一員としてJ3で4試合1得点。1メートル86、78キロ。利き足は右。血液型はA。背番号23。

続きを表示

2018年2月20日のニュース