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ハリルJ新星・井手口 イングランド古豪リーズが正式オファー、今冬移籍も

[ 2017年9月11日 05:30 ]

英古豪・リーズから正式オファーを受けたことが分かったG大阪の井手口
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 イングランド2部の古豪・リーズが、G大阪の日本代表MF井手口陽介(21)に正式オファーを出していることが10日、分かった。早ければ今冬にも完全移籍が決まる可能性がある。ロシアW杯でさらなる飛躍が期待されるハリルジャパンのニュースターはイングランドの名門からも熱視線を送られている。

 リーズは6月にA代表デビューを果たした井手口を高く評価している。関係者によると「ハードな守備と豊富な運動量が目に留まった」という。井手口はW杯アジア最終予選オーストラリア戦(8月31日)の後半37分に、ハリルジャパンのロシアW杯出場を決定づける強烈なミドルシュートを叩き込み、代表初ゴールを派手に飾った。さらにセットプレーではキッカー役も任されるなど、急激に成長する21歳に欧州各クラブが注目する中、いち早くリーズが正式な獲得に乗り出した。

 井手口にとっては待望のオファーといえる。「いつか欧州でプレーしたい」と常々口にするほど海外志向は高く、すでに英会話の勉強もスタートさせている。またリーズには今季から元日本代表MF藤田俊哉氏(45)が強化部スタッフとして加入。日本人が在籍しているのも心強い。

 ただ英国でプレーする際に必要な労働許可証取得には「移籍金1000万ポンド(約14億2000万円)以上の優秀な選手」などの厳しい審査がある。現状、井手口は条件を満たしておらず、保有権が今冬リーズに移った場合、期限付き移籍の形でG大阪でプレーするか、他の欧州クラブでプレーする可能性が高い。

 1919年創設。今季で99年目のシーズンを迎えるリーズは現在、2部で2位(9日現在)。03〜04年以来となるプレミアリーグ昇格へ向けて、絶好の位置に付けている。かつて“ヤング・リーズ”と呼ばれ、元イングランド代表DFファーディナンドや元オーストラリア代表FWキューウェルらを擁した2000〜01年には、欧州CLでベスト4にも入った名門だ。将来、日本代表の中核を担うべき井手口の決断に注目が集まる。

 ▽リーズ・ユナイテッド 1919年創立。本拠地は英国北部リーズ。60〜70年代に黄金期を築き、主なタイトルはリーグ3回、FA杯、リーグ杯各1回。00年代に財政難に陥り、04〜05年に2部降格。07年に破産申請した影響で07〜08年は3部に降格した。10〜11年から2部に復帰し、昨季は7位。17年からは元スペイン代表FWのトーマス・クリスチャンセン監督が指揮。本拠地のエランド・ロードは4万242人収容。

 ▽イングランドのリーグシステム 1888年に世界最古のサッカーリーグとして発足したのが「フットボールリーグ」で、92年までは最高峰のプロリーグだった。92年にフットボールリーグの上位リーグとして新設された「プレミアリーグ」が現在は1部にあたる。プレミアリーグ発足後、2部にあたるのが「フットボールリーグ・チャンピオンシップ」で、リーズなどが所属。4部までがプロリーグで、5部以下はセミプロ、アマチュアリーグとなる。

 ◆井手口 陽介(いでぐち・ようすけ)1996年(平8)8月23日、福岡市生まれの21歳。G大阪ジュニアユース―G大阪ユースを経て、高校3年の14年に飛び級昇格。4月16日、ナビスコ杯・鳥栖戦で公式戦デビュー。16年9月17日の名古屋戦でJ1初得点。16年11月にA代表初選出。17年8月31日のアジア最終予選オーストラリア戦でA代表初得点。1メートル71、71キロ。右利き。

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