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憧れレフティーばりCK!“駒大高の俊輔”長井から3発

[ 2017年1月4日 05:30 ]

第95回全国高校サッカー選手権大会第4日   駒大高(東京A)4―0山梨学院(山梨) ( 2017年1月3日    駒沢 )

<山梨学院・駒大高>“駒大高の俊輔”長井の高精度CKから3発
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 まるでVTRのように得点シーンは繰り返された。駒大高が4発で圧勝、うち3得点は左CKからだ。前半7分にファーサイドから高い打点のヘッド弾がさく裂、同17分にもファーサイドを攻めて相手DFの混乱を誘った。とどめの4点目は後半12分、今度は裏をかきニアサイドから攻略。相手ゴール前の制空権を支配し、2年連続の8強入りだ。

 高精度CKはMF長井の左足が起点となった。「トーナメントを制すのは守備とセットプレー」が合言葉。大会前2週間をセットプレーの強化週間に充てた。ゴール前への入り方、駆け引き、キックの種類。中村俊輔に憧れるレフティーは「CKは4種類ある」と明かす。ゴール前に1メートル80以上の選手を3人配置。前に出るという相手GKの癖も完全に読んでいた。

 決戦前夜、チームのムードは最悪だった。同校OBの援助もあり、疲労回復に効果のある「水素ボトル」をレンタルし、連戦の秘密兵器にするはずだった。だが前日、DF高橋主将、MF長井ら5選手が吸引チューブを忘れる失態があった。大野監督は「サポートを受けているのに本気で感謝していない」と激高し、ミーティングを中止。高橋は「この一年で最悪の雰囲気だった」と振り返る。

 その後、選手間ミーティングを実施。猛省はピッチ上で示すことを誓い合った。長井が3点に絡み、高橋も得点。激しいプレスを80分間続けて東京都予選からの無失点記録は6試合に伸びた。試合前、鏡の前に30分間座り、闘う姿勢を自身にも問いかけた指揮官は「1年に1回できるかどうかの試合」と目を細めた。初出場だった6年前の3回戦で敗れた山梨学院に最高の形で雪辱した。

 次戦は中1日での佐野日大戦。今度こそ疲労回復も万全。同校初の4強に挑む。

 ▼山梨学院MF小林 相手のセットプレーはミーティングでも確認したけどマークが付き切れず失点してしまった。経験したことのない強さでした。

 ≪関東勢17年ぶり8強に4校≫正智深谷(埼玉)前橋育英(群馬)佐野日大(栃木)駒大高(東京A)の関東勢4校が準々決勝進出。4校が8強入りしたのは78回大会(99年度)以来、17年ぶり。この時は市船橋(千葉)が優勝、前橋育英が4強、日大藤沢(神奈川)と帝京(東京A)は準々決勝で敗退している。

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