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“青森山田のCロナ”FW鳴海2発! 悲願初頂点へ5発8強 

[ 2017年1月4日 05:30 ]

第95回全国高校サッカー選手権大会第4日   青森山田(青森)5-0聖和学園(宮城) ( 2017年1月3日    浦和駒場 )

<聖和学園・青森山田>後半、青森山田・鳴海は自身2本目のゴールを決める
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 みちのくのCロナだ。第95回全国高校サッカー選手権大会第4日は3日、3回戦8試合が行われ、8強が出そろった。初優勝を目指す青森山田(青森)は聖和学園(宮城)と対戦し、FW鳴海彰人(3年)の2得点を挙げる活躍などで5―0と大勝。ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(31=Rマドリード)をまねたパフォーマンスを披露した鳴海は今大会のゴール数を3と伸ばし、得点ランク首位に並んだ。準々決勝4試合は、5日に行われる。

 浦和駒場に、あの男がいた。青森山田が2―0とリードして迎えた前半ロスタイム、左クロスに中央で待ち受けていたのは鳴海だ。味方がニアサイドでつぶれ、フリーで落ち着いてトラップ。最後は右足でゴール右に流し込んだ。相手の戦意をそぐ3点目を挙げ、軽く跳び上がりながら両手を広げる歓喜のポーズだ。4度のバロンドールを獲得し、昨年12月のクラブW杯でもRマドリードの優勝に貢献したC・ロナウドを演じきった。後半8分には、こぼれ球に詰めて固め打ち。名門の背番号11をつけるストライカーが、8強に導いた。

 「得点数で結果を残せて良かった。(パフォーマンスは)今大会からやり始めました」。名門校のFWとして威圧感を求めて始めたベンチプレスは95キロを挙げる。さらに“凄み”を増すため、テレビで見たクラブW杯のロナウドをまねた。入場行進からユニホーム両袖をあえてまくり上げ、筋骨隆々の上腕をあえて強調。「そこから戦いが始まっているから」と鳴海は言う。ゴール後の仁王立ちも、相手へ自分を誇示するため。「ロナウドはゴールハンター。それを目指したい」。“完コピ”には明確な意図があった。

 Jクラブのユースも参加した高円宮杯U―18チャンピオンシップを制した名門は、優勝候補筆頭との呼び声が高い。最後方にはFC東京内定のGK広末(3年)が構え、司令塔にはJ2千葉内定のMF高橋(3年)が君臨。フィニッシャーとして鳴海は得点王の称号を狙う。「チームの優勝を目指しているけど、自分が点数を取って得点ランク(トップ)も目指したい」。言葉通りに3得点で得点ランクトップタイに浮上したが、2戦で3発をマークしているのは鳴海だけだ。

 初戦から2試合で10得点無失点。県予選も合わせれば、5戦28得点無失点と異次元の強さを見せる。準々決勝の相手は正智深谷。鳴海は「自分たちのサッカーをすれば勝てる」と腕ぶした。先輩の柴崎(現鹿島)も到達できなかった頂点へ。役者のそろう青森山田が初優勝へ力強く進撃中だ。

 ◆鳴海 彰人(なるみ・あきと)1998年(平10)4月19日生まれ、北海道出身の18歳。小学生の時に静内山手FCで本格的に競技を始め、全道大会8強が最高成績。静内中時代も同8強が最高だった。50メートル走6秒1、1500メートル走は5分10秒。家族は両親に兄2人、姉1人、弟1人の5人きょうだい。青森山田を卒業後は仙台大に進学予定。将来の夢はプロサッカー選手。1メートル75、75キロ。血液型A。スパイクのサイズは26・5センチ。

 ▼聖和学園DF小倉主将 0―5は前回の敗戦と同じ。取られても取り返すのが聖和学園だったが、結果的にシュートまで行く回数も少なくて完敗だった。

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