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ナイジェリア間に合うか…前代未聞の当日移動に手倉森監督も困惑

[ 2016年8月5日 05:30 ]

笑顔でリオ五輪初戦の前日会見にのぞむ手倉森監督

リオ五輪1次リーグB組 日本―ナイジェリア

(8月5日 ブラジル・マナウス)
 前代未聞の珍事が手倉森ジャパンを襲った。サッカーのリオデジャネイロ五輪代表は4日(日本時間5日)、マナウス市内で1次リーグ初戦をナイジェリアと戦う予定だが、相手が前日の3日までにマナウス入りせず試合当日に移動した。午後2時すぎに到着予定だが、さまざまな事務手続きもあるため、午後9時からの試合に間に合うのかも流動的。手倉森誠監督(48)は困惑の表情を浮かべた。

 敵の姿が見えない…。3日の公式会見。手倉森監督はナイジェリアが試合前日にもかかわらず、マナウス入りせず、練習も会見もキャンセルしたことについて「相手のアクシデントは頭に入れるなと選手には言いました」と、平静を装った。しかし、非公開練習後には本音が漏れた。

 「試合をさせてくれ。ここに照準を合わせてきた。(チームの)完成具合とか、我々がやってきたことを(ピッチで)示したい。だからこそ、目の前に必ず現れてくれという思い。ナイジェリアだけに(試合が)ナイと言われても…嫌だから」

 最後はダジャレで落ちを付けたが、心の叫びだった。指揮官は大会の行方を占う上で、初戦をキーポイントに挙げてきた。アラカジュでの直前合宿から7月30日のブラジル戦、マナウス入り後もナイジェリア戦にピークを持ってくるように調整してきた。試合で勝敗が分かれるのは想定内だが、試合自体ができないとなれば、第2戦以降への調整という面でも大きな誤算が生まれる。

 協会からの給料未払い問題などで揺れるナイジェリアは当初、直前合宿地の米国アトランタから29日にマナウス入りする予定だった。しかし、その後、資金難などから4度出発を延期。ようやく、試合当日の4日午前8時すぎにデルタ航空機でアトランタを出発した。ただ、マナウスには試合開始の7時間前に当たる午後2時すぎに到着する見通しだが、パスの有効化作業など現地入り後も予定は詰まっている。飛行機の到着が遅れるなどアクシデントに見舞われれば、試合開始に間に合う保証もない。前代未聞の事例であることから、日本協会関係者によれば、大会規則に試合が行われなかった場合の記述がなく、不戦勝(勝ち点3)となるのか、3チームによる1次リーグとなるのか先行きは不透明だ。

 過去に日本とナイジェリアは五輪で3度対戦。勝った方がその大会でメダルを獲得してきた。手倉森監督は「ナイジェリア戦がメダル獲得への全てだという覚悟でいきたい」。その並々ならぬ思いもピッチ上に22人がそろわなければ、肩透かしに終わる。

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