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モウリーニョ監督 猶予は1週間 2試合で結果出なければ解任も

[ 2015年11月3日 08:40 ]

厳しい表情でコーチ陣と話すモウリーニョ監督(右から2人目)(AP)

 名将が崖っ縁に追い込まれた。プレミアリーグ昨季王者のチェルシーがリーグ戦11節を終えて15位に低迷。1日付のサンなど複数の英紙は、4日の欧州CLディナモ・キエフ(ウクライナ)戦を含めて今後2試合で結果が出なければ、ジョゼ・モウリーニョ監督(52)が解任されると伝えた。昨季はリーグ杯と合わせて2冠に導いた指揮官が苦境に陥った背景、後任の監督候補が報じられる現状などを追った。

 チェルシーのモウリーニョ監督に残された“猶予期間”はわずか2試合となりそうだ。31日にホームでリバプール戦に1―3と逆転負けを喫し、リーグ11試合で早くも6敗目。試合直後にテレビのインタビューで、指揮官は「何も言うことはない」と繰り返した。一夜明けた1日には去就報道が一気に過熱。サン、テレグラフの両紙はアブラモビッチ・オーナーから「最後のチャンス」が与えられ、7日の国内リーグ・ストーク戦までにチームを立て直せなければ解任されると伝えた。

 04年、最初にチェルシーの監督に就いた際、自身を「スペシャル・ワン(特別な存在)」と評した名将が、なぜ“余命1週間”まで追い詰められたのか。地元メディアでは低迷の要因として、オフの補強失敗、開幕前の準備期間が他チームより約1週間少なかったこと、主力選手の不調などが伝えられているが、ここにきて急浮上してきたのは選手との確執だ。

 英BBCラジオのリチャードソン記者は、1日の番組で「指揮官と多くの選手との関係は最悪」と指摘。ある選手は「監督のために勝つよりも、負けた方がいい」とまで話していたと伝えた。対立の一因として挙げられるのは選手の名指し批判。8月の会見で「イバノビッチ、カーヒル、テリー、アスピリクエタ、セスク・ファブレガス、マティッチ、アザールの状態はハッピーではない」と7人もの名前を挙げて物議を醸した。また選手から人気があった女医のカルネイロ氏を9月に退団に追いやったことも影響しているとみられる。

 モウリーニョ監督にとって“鬼門”といえるシーズン。04~07年の第1期チェルシー、10~13年のRマドリードでも就任3年目にクラブ首脳や選手との対立が表面化した。今回は苦境を脱する秘策はあるのか。4日の欧州CLディナモ・キエフ戦の結果が、名将の命運を大きく左右しそうだ。

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2015年11月3日のニュース