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武藤“浦和LOVE”古巣相手に決勝ループで自身初の大台10号

[ 2015年8月23日 05:30 ]

<浦和・仙台>古巣仙台からゴールを決めた浦和・武藤がカツラをかぶってプロレスラー・武藤のマネをする

 年間首位に立つ浦和はホームで仙台を3―1で撃破し、3連勝を飾った。東アジア杯得点王の日本代表FW武藤雄樹(26)が前半37分に今季10点目となる決勝ゴールを挙げるなど1得点1アシストの活躍を見せた。昨季まで所属した古巣相手に自身初の2桁得点に乗せただけでなく9月のW杯アジア2次予選に臨む日本代表発表(27日)前の最後の一戦で代表生き残りをアピールした。

【試合結果 年間順位表 第2S順位表 得点ランキング】

 埼スタが武藤劇場と化した。1―1の前半37分、柏木の縦パスからスイッチが入ると、興梠が頭で落としたボールに反応。DFより一瞬、先にモーションに入り、右足ダイレクトで柔らかいループシュートだ。昨季まで所属した古巣ゴールへ叩き込んだ感謝の決勝弾。出場23試合目で節目の10点に乗せ、28試合目だった13年の興梠を超えて加入1年目での浦和の日本人最速2桁得点に到達した。「イメージ通り。触って決めるだけだった。相手が仙台で気合が入っていた。2桁は目標にしていたので達成できてうれしい」。左拳を握り、感情を爆発させた。

 これで終わらないのが“乗ってる男”の真骨頂か。後半30分の右CKでは、浦和に加入後、初めてキッカーを任された。「ゴール前で待っていたら“武藤、行け!”と。仙台でも蹴ったことがないのに…」。東アジア杯でもぶっつけ本番でプレースキッカーを任された右足で、ズラタンの頭にピンポイントで合わせると「代表でたくさん蹴った経験が生きた。ズラが決めて、いいボールに見えました」と笑った。

 1得点1アシストで3連勝に導くと、試合後には、サポーターから投げ込まれた同姓のプロレスラー・武藤敬司を意識した?丸刈り頭のカツラをかぶって会場を沸かせた。兄貴分の槙野も「きょうは武藤の日だね」と最敬礼だ。初の代表招集となった東アジア杯で最速デビュー弾を決めるなど得点王に輝いた新星は、役者が違った。

 この試合は9月のW杯アジア2次予選に臨む日本代表メンバー発表前最後の試合。最高の形で生き残りへのアピールに成功した武藤は「代表に行って自信がついた。海外組がいるけど自分の良さを出したい。浦和でやっているプレーを代表でも出したい」と強調する。浦和ではシャドーだが、代表ではトップ下。ライバルと目されるドルトムントMF香川のゴールも映像で確認するなど日の丸へ懸ける思いは強い。昨季まで仙台の切り札にすぎなかった男の成り上がりストーリーは新章に突入する。

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2015年8月23日のニュース