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長谷部、長友が危機感 「若手の台頭」訴える

[ 2015年1月28日 05:30 ]

ドイツへ出発した日本代表MF長谷部

 出てこいっ、若手!アジア杯で8強に終わった日本代表のMF長谷部誠主将(31=フランクフルト)、DF長友佑都(28=インテル・ミラノ)らが27日、それぞれ欧州に飛び立った。チームをけん引する2選手は1次リーグで敗退したW杯ブラジル大会に続くアジア杯での低迷に危機感を募らせ、若手の突き上げ、個々の決定力向上がなければ、18年W杯出場も危ういとの見解を示した。

 危機感でいっぱいだった。惨敗した14年W杯に続き、アジア杯も8強止まり。長谷部は「今回はアジア。余計に情けない」と言った。長友は「このままではアジアでも勝てない。強い覚悟を持たないとW杯出場も危うい」とまで言う。岡田ジャパン時代からチームを引っ張る2人。今の日本に足りないものに「若手の台頭」と声をそろえた。

 長谷部 世代交代とか今に始まったことではないけど、若い選手の突き上げがまだまだ足りないと思う

 長友 若手が出てこないとまずい。柴崎や武藤が成長して代表のレギュラー争いをして活性化させてほしい

 実はA代表の中でも育成世代の低迷が話題に上がっていた。昨年はU―19、U―16が年代別W杯出場を逃した。長谷部は「サッカー界は実力社会。選手としては当然、自分の成長を目指す。でも下の年代で結果が出ないことはA代表の中でも話し合っている。改革につながれば」と言う。若手が伸びればベテラン勢はポジションを追われかねないが、事態はひっ迫している。若手の台頭はむしろ自らの成長を促してくれると信じている。

 永遠の課題でもある決定力不足にも言及した。シュート35本で1点に終わったアジア杯準々決勝のUAE戦が象徴する。長谷部は「日本に来る外国人監督は“日本人はうまい。でも戦える選手、ゴールを決める選手がいない”と口をそろえる」と言う。誰もが課題克服のため世界の強豪と環境が厳しい敵地での対戦を熱望するが、実現は難しく特効薬はない。それぞれが所属先で個の力に磨きをかけるしかない。

 アジア杯は4戦全て同じ先発。そのうち8人は前回アジア杯でも主力を務め、11人全員がザックジャパン時代からの経験者と若手の台頭に乏しかった。多くの新戦力が活躍して優勝した前回大会とは対照的だ。「改善点はありすぎて…。並大抵の努力では埋められない」と長友。長谷部は「(UAE戦は)全ての選手にチャンスがあった。決められなかった全ての選手の責任。まだ伸びしろは感じている。試合を決める最後の部分。ドイツでも、そこを意識して詰めていきたい」と言った。

 アジア杯を教訓に真の強国へ。日本が世界に通じる力をつけるため、長谷部も、長友も努力を重ねながら、自身の定位置が危うくなるほどの突き上げを待っている。

 ≪苦戦続く若年層≫年代別の日本代表では昨年9月のU―16アジア選手権(タイ)で、日本は準々決勝で韓国に0―2で完敗。5大会ぶりにU―17W杯出場を逃した。昨年10月のU―19アジア選手権(タイ)でも南野(ザルツブルク)を擁した日本は北朝鮮との準々決勝でPK戦の末に敗退。4大会ぶりのU―20W杯出場権を得られず。16年リオデジャネイロ五輪を目指すU―21(現U―22)世代も昨年9月の仁川アジア大会で準々決勝の韓国戦に0―1で敗北を喫するなどアジアで苦戦が続いている。

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