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勝利への執着 アギーレ氏は抜け目ない“古ぎつね”妨害!?口笛も

[ 2014年7月27日 09:42 ]

日本代表の新監督に就任が決まったアギーレ氏(ゲッティ)

 日本代表の新監督に就任が決まったハビエル・アギーレ氏(55)の人物像とは?第2回は勝ちにこだわるその姿勢を探った。

 勝利への執着心という意味では歴代の日本代表監督でも随一だ。エスパニョールを率いていた昨年12月15日のアルメリア戦ではこんな逸話も残している。敵将フランシスコ監督が「エスパニョールのベンチから誰かが主審の笛の音に似た口笛を吹き、プレーを妨害している」と主審に抗議し、逆に退席処分を受けるという“事件”が起きた。

 意気揚々と口笛を吹くアギーレ監督の姿がテレビ映像で何度も流されたのは試合後だ。スペインのマルカ紙は「一筋縄ではいかないアギーレのいたずら。ペテン行為にフランシスコ監督がはまった」と報じた。むろん、褒められる行為ではないが、どんな手を使ってでも勝とうとする意欲がにじみ出ている。

 もちろんこれは氷山の一角だ。02~06年のオサスナ監督時代には、ホームスタジアムの芝を短く刈るよう指示した。伝統的なカウンター主体のスタイルからボールを大切に扱い、巧みにパスを回すチームへと変貌させた実績も持つ。就任4年目には欧州CL出場圏のリーグ4位に導いた。アギーレ監督をよく知る人物は「ビエホ・ソーロ(古ぎつね)」と呼ぶ。スペイン語ではずる賢い、抜け目ない人という意味だ。

 アギーレ監督の取材経験が豊富なテレビ局TDNメキシコのラウル・メンデス・ガルシア記者は「鋭い爪を持つような活力、決断力がある。チームにモチベーションを与え、試合の状況を読むことができるインテリジェンスに富んだ監督」と評する。試合の状況、流れを瞬時に読み取り、的確な手を打つ。必要ならば、口笛だって吹く。アギーレ監督とは、そういう指揮官だ。

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2014年7月27日のニュース