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石原 反撃弾&同点誘発!広島 敵地で2点差追いついた

[ 2014年4月17日 05:30 ]

<広島・北京国安>後半、同点ゴールを決める石原(右)

ACL1次リーグF組 広島2―2北京国安

(4月16日 中国・北京)
 16日に各地で1次リーグ第5戦が行われ、F組の広島はアウェーで北京国安(中国)と対戦し、2―2で引き分けた。後半16分までに2点を許す苦しい展開だったが、7~9日に行われた日本代表候補合宿に追加招集されたFW石原直樹(29)が2得点に絡む活躍で引き分けに持ち込んだ。E組のC大阪はホームで浦項(韓国)に0―2で完敗。広島、C大阪ともに、残る最終節に勝てば、決勝トーナメント進出が決まる。

 29歳のシンデレラボーイが緑色に染まった敵地で強烈な光を放った。防戦一方の展開で2点を追い掛けていた後半22分から25分までの間に起死回生の2発を呼んだ。敗色濃厚だった試合で勝ち点1を確保し、石原は「下を向くことなく、1点を取り返しにいこうと思っていた」とうなずいた。

 勝利を信じ切っていた相手ファンを黙らせた。後半22分、清水からの左クロスのこぼれ球を決めて1点差。25分にも清水の左クロスに右足を精いっぱい伸ばすと、相手DFに当たって方向が変わったボールがゴールに吸い込まれた。公式記録はオウンゴールながら、石原の執念が呼び込んだ一撃だ。完全アウェーの試合に「自分たちのサッカーをするだけなので気になりませんでした」と話した強心臓男が奮闘。森保監督は「2点ビハインドになった後も、諦めずに戦い抜いてくれた。勝ちたい、追い付きたいという気持ちを出してくれた」と選手を称えた。

 日本代表のユニホームに袖を通したことはない石原だが、6日のJ1名古屋戦後に日本代表候補に追加招集された。川崎Fの小林負傷を受けての滑り込み。「選出されたことに驚いています」と明かし、3日間の合宿で十分アピールできたわけではなかった。しかし、この日はアジアの舞台で2得点に絡んだ。昨年のJ1最終節・鹿島戦ではチームを連覇に導く決勝弾も放ち、持っている男ぶりは日本代表のザッケローニ監督にも強いインパクトを与える
 4日には待望の第1子となる長女が誕生した石原。二重の喜びを得て、広島へ帰る。チームは23日の最終節、セントラルコースト戦に勝利すれば、クラブ史上初の決勝トーナメント進出が決定。土壇場で力を発揮できる29歳が、初のアジア王者へ再びチームを引っ張る。

 ◆石原 直樹(いしはら・なおき)1984年(昭59)8月14日、群馬県生まれの29歳。高崎経大付高から03年にJ2湘南入りし、同年3月15日の山形との開幕戦で18歳でJデビュー。08年に18得点を挙げ、09年にJ1大宮へ移籍。12年に広島へ移籍し、昨季は10得点。J1通算162試合39得点。1メートル73、62キロ。

 ▼広島の決勝トーナメント進出条件 1次リーグ最終戦のセントラルコースト戦に○ならば無条件で進出。△●の場合は敗退が決まる。△の場合は他カードの結果により、勝ち点で並ぶケースはあるが、当該間の成績によって広島が2位以内に入ることはない。

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