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新生なでしこ テスト不発…元世界女王ノルウェーに完敗

[ 2013年3月7日 06:00 ]

<日本・ノルウェー>後半、川澄(手前)にパスを出す田中陽

アルガルベ杯1次リーグA組 日本0-2ノルウェー

(3月6日 パルシャル)
 新戦力テストは不発に終わった。国際親善大会アルガルベ杯が6日に開幕し、FIFAランク3位のなでしこジャパンは同12位のノルウェーに0―2で敗れた。若手の底上げをテーマに掲げる新生なでしこはフル代表初出場の5人が先発したが、序盤に2失点してリズムを乱した。後半11分から出場したMF田中陽子(19=INAC神戸)も見せ場をつくれず不完全燃焼デビューとなった。なでしこジャパンは8日にドイツ、11日にデンマークと対戦する。
【試合結果 A組日程&順位表 なでしこジャパンメンバー】

 終了のホイッスルの瞬間。イレブンはがっくりとうなだれた。0―2の完敗。佐々木監督は「(波に)乗り切る前に失点してしまった。若い選手に経験を積ませ、得るものをプラスさせたかったが、マイナスの方が多かった。これは監督采配のミス」とバツが悪そうに話し、会見では最後に「本当に失礼しました。申し訳ございません」と謝罪の弁。新戦力テストが失敗に終わったことを如実に語っていた。

 初先発5人を含め国際Aマッチ10試合以下の選手8人を配した新生なでしこは序盤から経験不足を露呈した。開始8分にDF長船がミスパスでMFハンセンにボールを渡す。そのままドリブルで進入してきた相手に右サイドバック川村優がゴールライン際で突破され失点。8分後にはクリアボールを拾われ、再び右サイドを崩される。川村優が不用意な飛び込みでかわされ、クロスを入れられると、ゴール前でFWヘーゲルベルクに押し込まれた。

 銀メダルを獲得したロンドン五輪後最初の試合。15年W杯カナダ大会、16年リオデジャネイロ五輪に向けたスタートの大会。澤や宮間ら大黒柱の招集を免除し、若手の底上げと中堅の自立を目指してメンバーを編成した。佐々木監督は「4年のスパンで成果が出るようにするための一年。若い選手にはなでしこのやり方を染み込ませたい」。ポゼッションの精度とスピードを極めることを課題とし、10センチの精度にこだわった練習を繰り返した。だが若手が大量に出場したこの日はボールがつながらず苦戦。前半31分には精彩を欠く川村優とMF川村真を交代させざるをえなかった。

 3位に入ったU―20W杯のヒロイン田中陽にとっても悔しいデビュー戦となった。後半11分にボランチに入ったが、武器とする攻撃面での長所は生かせず。「FWの動き出しなど、もっと見なくてはいけない。この経験をこれからのステップにしたい」と必死で前を向いた。

 次戦は中1日でドイツと対戦する。佐々木監督は「(この日)1点も取れなかった屈辱もある。前進していけるような経験にしていかないと」。アルガルベ杯制覇を目標に掲げるなでしこ。次戦は勝利が求められる。

 ▽アルガルベ杯 ポルトガル・サッカー連盟などが主催する女子の国際親善大会。94年から同国南部のアルガルベ地方で行われ今回が20回目となる。強豪国が招かれ、現在は12チームが3組に分かれた1次リーグと、その後決勝や3位決定戦などの各順位決定戦が行われる。最多優勝は米国の8度。日本は3度目の参加で、一昨年が3位、昨年が準優勝だった。05年からFIFAが女性審判員を派遣し、審判員育成の場にもなっている。

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