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大滝 五輪名乗り弾!得点力不足のなでしこ救う

[ 2012年2月13日 06:00 ]

紅白戦でゴールを決め、笑顔でハイタッチする大滝(左)

日本女子代表候補合宿4日目

 和歌山県内で行われている日本女子代表候補合同合宿4日目は12日、カテゴリー間で紅白戦を実施。A代表予備軍のなでしこチャレンジのFW大滝麻未(22=早大)が、なでしこジャパンとの対戦でゴールを決めて決定力をアピール。得点力不足を露呈しているなでしこジャパンの救世主として、29日開幕のアルガルベ杯(ポルトガル)のメンバー入りが現実味を帯びてきた。

 フランス1部リーグの強豪リヨンとプロ契約した大型FWが、世界を制したメンバーに、あいさつ代わりの一発をお見舞いした。なでしこジャパンに挑んだ紅白戦(20分ハーフ)の前半16分、カウンターからMF原菜摘子(22=日テレ)のパスを受けた大滝はドリブルで約20メートルを独走。ゴール前でGKの動きを冷静に見極め、右足で流し込んだ。

 「DFが前がかりだったので、いけるというより、決めなきゃという感覚だった。得意な形で決められたので、かなり自信になりました」

 その後のU―17代表との試合では、前半14分に左サイドから絶妙なグラウンダーのクロスを入れてFW菅沢優衣香(21=新潟)の先制弾をアシスト。3試合、合計100分間で1ゴール1アシストという内容に「得点に結びつかなくても裏に抜け出す動きができました。次は頭で決めたい」と笑顔がはじけていた。

 ポルトガル行きを懸けたサバイバル合宿とあって「(なでしこジャパンに)選ばれたいという気持ちで参加している」と目標は明確だ。

 「今も伸びている」という身長は1メートル73。試合を視察したなでしこジャパンの佐々木則夫監督(53)もボールを受ける際の動き方についてマンツーマン指導するほど大きな期待をかけている。「ボールを当てる(ポストプレー)という意味では印象に残っている。経験を積めばいい選手になる」とも話しており、得点力不足が際立つなでしこジャパンの救世主として指揮官の構想に入る可能性は十分にある。

 13日で合同合宿の全日程が終了。リヨンに合流するため15日に渡仏する。「ポルトガルにも、ロンドンにも、もちろん行きたい」。知る人ぞ知る存在だったストライカーが一気にスター軍団の仲間入りを果たそうとしている。

 ◆大滝 麻未(おおたき・あみ) 1989年(平元)7月28日、神奈川県生まれの22歳。平塚市立湊小1年でサッカーを始め、湊中、鎌倉高時代はなでしこジャパンのDF近賀やDF矢野を輩出した横須賀シーガルズでプレー。07年にU―19日本代表に選出。10年に関東大学リーグ得点王。昨夏のユニバーシアードで得点王。利き足は右。憧れは日本代表FW岡崎慎司。家族は両親と兄、祖母2人。趣味はギターとピアノ。血液型O。1メートル73、59キロ。

【試合結果】
なでしこジャパンチャレンジ 1―0 なでしこジャパン
▽得点者【チ】大滝

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