×

松田さん山雅サポーターに別れ…群馬実家へ無言の帰宅

[ 2011年8月6日 06:00 ]

松本山雅サポーターにあいさつをする松田さんの母・正恵さん

松田直樹さん死去

 松田さんが長野県松本市と松本山雅サポーターに別れを告げた。4日に急性心筋梗塞のために34歳の若さで亡くなった元日本代表でJFL松本山雅のDF松田直樹さんの遺体が5日、群馬県桐生市の実家に運ばれた。松本市を出発する前に松田さんの遺体を乗せた霊きゅう車が練習グラウンドの横に停車し、母・正恵さんが涙ながらにサポーターにあいさつ。その後、本拠地アルウィンを一周し、午後4時前に無言で帰宅した。

 松田さんとの別れは、またも突然だった。松本山雅の練習が紅白戦に入った午前11時30分。大月社長が練習を止めて、24人の全選手とスタッフにグラウンド横の車道に集まるように指示した。見学していた約50人のサポーターにも声を掛け、約10分後に松田さんを乗せた霊きゅう車が到着した。車を降りた母・正恵さんは選手にあいさつした後、サポーターに向かって涙ながらにあいさつした。

 「直樹は天国に参りました。死に物狂いの気持ちで頑張って参りましたが、志半ばでJ2に上げることはできませんでした。皆さんの気持ちに応えることができず申し訳ありません。一番悔しいのは本人の直樹だと思います。ぜひ、J2に昇格させてください。群馬から直樹と一緒に応援しています。“山雅に来てよかった。オレはこの道を選んでよかった”と息子から聞いていました」

 号泣し、何度も頭を下げる正恵さんの姿に、何人ものサポーターがすすり泣いた。

 4日夜に信州大病院から搬出された松田さんの遺体は松本市内の施設に保管され、午前11時すぎに正恵さんら家族とともに出発。練習場を訪れた後にアルウィンを一周し、この日から設置された献花台の前を通って群馬へと向かった。7日にホームでSAGAWA・SHIGA戦に臨む加藤監督は「松本で一緒に戦いたいと思っていたけど、桐生に帰った。しばらく実家に帰っていないということで、ゆっくり休んでほしい」と別れを惜しんだ。

 午後4時前には桐生市の実家に悲しみの帰宅。サポーターからの千羽鶴やメッセージボード、花などが松田さんが高校時代まで過ごした部屋に入れられた。わずか7カ月間だったが、松本山雅のために戦ってきた松田さん。そのサッカーに対する情熱は、選手、サポーターの心にしっかりと刻まれたはずだ。

◇松田直樹氏葬儀日程
【通夜】8日(月)午後6時
【葬儀・告別式】9日(火)午前11時30分
【場所】桐生市斎場=群馬県桐生市広沢町5の4746の5=(電)0277(54)1204
【喪主】母正恵(まさえ)さん

続きを表示

2011年8月6日のニュース