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ザック監督くぎ付け!金崎決めた“名刺弾”

[ 2010年9月19日 06:00 ]

<名古屋・横浜>後半3分、同点ゴールを決めガッツポーズを決める名古屋・金崎(左)

 金崎がザックの視線をくぎ付けにした。Jリーグ第23節第1日は18日、7試合が行われ、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)が2試合を視察した。名古屋―横浜戦では、名古屋の元日本代表FW金崎夢生(21)が後半3分に右足ボレーシュートを決めて1―1のドローに貢献した。G大阪―C大阪戦では開始2分に、初の代表入りを目指すG大阪のFW宇佐美貴史(18)が先制ゴール。ザックの目の前で若手FWがアピールした。

【試合結果


 その瞬間、スタンドのザッケローニ監督が思わず身を乗り出した。後半3分、FW金崎がスーパーシュートを決めた。DF阿部のクロスを相手DFがクリアミス。その浮き球に反応した。右太腿でトラップして右足ボレー。美しい弾道がゴール左に突き刺さった。
 「相手のミスをうまくつけたゴールだった。イメージ通りでした」と金崎。ドローに持ち込む今季4点目。名古屋を救ったゴールは自らの将来を変えるかもしれない。
 89年生まれのロンドン五輪世代。09年1月のアジア杯予選イエメン戦でA代表デビュー。今年2月のベネズエラ戦と東アジア選手権中国戦にも途中出場した。W杯南アフリカ大会メンバーには選出されなかったが、ザックジャパンでも招集が期待される1人だ。
 ザッケローニ監督が視察したことについて金崎は「ああ、そうですか。まずはチームが勝つこと。それがアピールになるんで」と自然体を強調しながらも「代表に入るためには、常に良いコンディションを保ち続けることが課題」と代表復帰への思いをにじませた。
 ザッケローニ監督は3トップを採用する見込み。名古屋と同じ布陣だけに活躍すれば代表招集の可能性は必然的に高まる。金崎はイタリア人指揮官に才能を見せつけた。後半36分の交代まで右に左に位置を変えながら1対1で勝負。質の高いクロスも供給した。後半8分には味方とのパス交換でペナルティーエリア内に攻め込んで右足でシュートを放った。枠外に外れたが、ザッケローニ監督は原強化担当・技術委員長と満足そうな表情で何やら密談していた。
 「チャンスはいっぱいあったし、もっと決められれば良かった」と金崎に満足感はない。しかし、そのプレーと名前が日本の新指揮官の脳裏に焼き付けられたのは間違いない。

 ◆金崎 夢生(かなざき・むう)1989年(平元)2月16日生まれの21歳。三重県出身。滝川二から07年大分入り。今季名古屋に移籍。高校3年時に全日本ユース選手権優勝、全国選手権出場。大分時代の08年ナビスコ杯優勝。09年1月のアジア杯予選イエメン戦で代表デビュー。国際Aマッチ通算3試合0得点。J1通算102試合11得点。血液型A。1メートル80、70キロ。

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2010年9月19日のニュース