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阿部が電撃デビュー!合流即初勝利に貢献

[ 2010年9月16日 06:00 ]

15日付の地元紙「レスター・マーキュリー」で掲載されたMF阿部の写真

 浦和からイングランド2部レスターへ移籍したMF阿部勇樹(29)が14日、ホームでのカーディフ戦で異例のデビューを果たした。試合前日の13日にチームの練習に合流したばかりで、入団会見も終えていない状況ながら後半37分から出場。確かな戦術眼で試合の流れを読んで攻守に奮闘。4連勝中だった相手を2―1で下す今季初勝利に貢献した。

 まさに電撃デビューだった。10日に日本を出発し、試合前日の13日にチームに合流したばかりの阿部に、いきなり出番が巡ってきた。2―1の後半37分、2得点したMFキングに代わって4―2―3―1のトップ下で出場。豊富な運動量で中盤を安定させ、開幕から2分け3敗と苦しんでいたレスターの今季初勝利に貢献した。
 ドタバタのデビュー戦となったが「途中からの出場だったけど、慣れるには良かった。難しいこともあると思うけど、(海外挑戦は)初めての経験だし、何もかも楽しんでやっているかなと思う」と充実感を漂わせた。
 日本ではあまり経験のないトップ下での起用だったが、守備時にはダブルボランチの間に入って相手の攻撃を寸断。攻撃時には1トップのハワードに近い位置で味方のパスコースをつくり出したり、前線のスペースに果敢に飛び出したり、攻撃を活性化させた。ロスタイムにはペナルティーエリアの外から右足で初のシュートも放った。
 合流間もない試合で投入されたのも、元ポルトガル代表のパウロ・ソウザ監督の期待の表れだ。「試合は緊迫していたし非常に大事な時間帯だったが、ユウキはチームを助けてくれた。日本で8~9年キャプテンを務めていたと聞いた。彼は真のリーダーだ。試合を読む力があるし、チームメートのプレーを理解する力もある」と早くもリーダーに指名。定位置奪取に向けても貴重なアピールの舞台となった。
 16日には本拠ウォーカーズスタジアムで入団会見が行われる。既にプレーはお披露目を済ませたが、今度は自らの言葉で決意を表明する。
 ▽レスター・シティーFC 1884年創立。かつてはリネカー、ヘスキーらが所属したが、03~04年シーズンにプレミアから2部へ降格。07~08年シーズンにはクラブ史上初となる3部降格も、1シーズンで2部に復帰。昨季は2部で5位に入り、プレミアリーグ昇格を懸けたプレーオフに進出も敗退した。イングランド・リーグ杯優勝3回。本拠は3万2500人収容のウォーカーズスタジアム。クラブカラーは青で、愛称はフォクシーズ。

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2010年9月16日のニュース