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チャバララ大会1号!南ア 開幕ドロー

[ 2010年6月12日 06:00 ]

<南アフリカ・メキシコ>ゴールを決めて喜ぶチャバララ(左から2人目)ら南アフリカイレブン(AP)

 W杯南アフリカ大会は11日、開幕した。開催国の南アフリカは開幕戦でメキシコと対戦。1―1で引き分けた。後半10分にMFシフィウェ・チャバララ(25)が大会第1号ゴールを決めて先制したが、後半34分に追いつかれた。11日未明にひ孫が事故死する悲劇に見舞われたネルソン・マンデラ元大統領(91)に勝利をささげることはできなかったが、価値ある勝ち点1を手にした。

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 試合会場を覆っていた民族楽器ブブゼラの音色がその瞬間止まった。後半10分、カウンターからゴール前に飛び込んだMFチャバララが左足を振り抜き、ゴール右上のサイドネットを豪快に揺らした。アフリカ大陸初開催のW杯で初ゴール。前評判が低かった開催国・南アフリカが歴史に刻む一撃でリードを奪った。

 FIFAランク83位の南アに対し、同17位のメキシコは格上。後半34分に守備陣がスキを突かれて失点し、結果的に金星は逃したが「史上最弱」とも言われた開催国が戦う姿勢を存分に出した。

 立ち上がりは動きが硬く、押し込まれる展開が続いた。開始2分には左サイドを破られて決定的なピンチ。DFモコエナが体を張って防いだが、その後もメキシコの波状攻撃を浴びて危ない場面が続いた。それでも前半途中からリズムに乗り、パスをつないで好機を演出。司令塔ピーナールを軸に攻撃を組み立て満員のスタンドを沸かせた。

 ぶざまな試合は許されなかった。チームは前監督の下で1勝8敗。08年4月に退任しながらチームを立て直すため昨年11月に復帰したパレイラ監督は道行く人に「オレたちが誇りを持てるようにしてくれ!」と訴えられたという。開催国の成績は歴史的意義を持つ大会の盛り上がりを左右する。国民の期待を裏切るわけにはいかなかった。

 通常5月まで続く国内リーグの日程を3月6日に終わらせ、3月はブラジル、4月はドイツ、そして5月からは国内で異例の長期合宿を続け、選手に「W杯は戦争。戦士のように戦わなければならない」と戦う姿勢を植えつけた。復帰後の国際Aマッチは6勝6分け。「自信を持って大会に臨める。何事かを達成し、われわれがどこまでたどり着けるか夢を見てもいい」と話した指揮官の言葉にイレブンが応えた。

 民族融合を象徴するマンデラ元大統領はひ孫の悲報で観戦を中止。それでも「試合を楽しんでほしい」とメッセージを受けた。お返しの白星は届けることはできなかったが、勝ち点1を確保。開催国の義務である1次リーグ突破も夢ではない。

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2010年6月12日のニュース