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“悪童”カッサーノ逆ギレで代表復帰パー?

[ 2009年11月3日 06:00 ]

<サンプドリア・バリ>ボヌッチのマークをかわすカッサーノ

 セリエ第11節の8試合が1日に行われ、サンプドリアのFWアントニオ・カッサーノ(27)がバリ戦後に移籍を示唆する怒りの発言を行った。0―0で引き分けて2位タイに浮上も、好機を逃したことで一部ファンから非難の口笛を浴びて逆ギレ。かつての悪童ぶりを思い起こさせる言動で、自らイタリア代表復帰を遠ざけかねない事態を招いた。

 カッサーノが怒りに身を任せてまくし立てた。

 「チョコレートクリームに慣れたヤツはちょっと食べられなくなると、すぐこれだ。ローマで同じことがあったから出ていったし(レアル・)マドリードでも同じさ。だからここを出て行っても全然問題にならないね」

 第11節を終えてユベントスと並ぶ2位。リーグ最多の6アシストでサンプドリア躍進を支えてきたが、この日はシュート4本を止められるなど精彩を欠いた。4戦連続アシストを記録した開幕直後の勢いも陰りがちで、チームも終了間際の相手PK失敗で勝ち点1を拾う展開。不満をため込んだ地元ファンに非難の口笛を吹かれると、悪童の“血”が一気に騒いだ。

 屈指のトラブルメーカーだった男も27歳。大人になったはずだった。レアル在籍時の06年10月には出番が少ないことに怒り、ローマ時代からの恩師でもあるカペッロ監督に「尽くしてやったのに恥知らず!」と暴言。謹慎処分を食らった。07年夏のサンプドリア加入後は改心し目立つトラブルはなかったが、最悪のタイミングで暴発した。

 08年欧州選手権を最後に代表から遠ざかるが、高い決定力と他人を生かすパスで存在感。地元紙調査で代表復帰を望む選手として63・5%の支持を集め、2位ネスタ(ACミラン)の10・9%、3位トッティ(ローマ)の10・4%を大きく上回った。団結重視のリッピ代表監督が騒動回避のためカッサーノ招集に否定的と伝えられる中「今ならピッチ内外できちんと行動できる」と訴えてきたが、悪童健在をアピールしてしまった。

 「物分かりが良ければ少ない言葉で(状況が)理解できるはず」とファンをどう喝したカッサーノ。口笛はやむかもしれないが、代表復帰を求める声まで失いかねない。

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2009年11月3日のニュース