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仲間もメディアも絶賛!俊輔 歴史的アシスト

[ 2009年8月4日 06:00 ]

<エスパニョール・リバプール>前半19分、先制ゴールをアシストし、チームメートと喜ぶ中村俊輔

 エスパニョールのMF中村俊輔(31)が鮮烈な本拠地デビューを飾った。2日に新スタジアム・コルネジャ・エルプラットのこけら落としとして行われたリバプールとの親善試合に左MFで先発し前半終了まで出場。0―0の前半19分にMFルイス・ガルシアにスルーパスを通して、新本拠地の第1号ゴールをアシストするなど3―0の勝利に貢献した。前半ラスト5分はトップ下にポジションを移すなどチームの中心として機能し、4万人の大観衆を熱狂させた。

 地鳴りのような大歓声が新スタジアムを揺らした。歓喜の前転を繰り返すルイス・ガルシアの横で、中村が力強く拳を握りしめた。「シュート打とうか、後ろに下げてつくり直すとか、いろいろな選択肢があったけど、イチかバチかの速いボールを入れた」。新本拠地の記念すべき第1号ゴールをアシスト。デラペーニャ、モイセスと抱擁を交わすと、新人ハポネスは最高の笑顔を見せた。

 歴史的瞬間が訪れたのは前半19分だった。中村はゴール正面やや左でボールを受けると、左足でファーサイドにクロス。DFにクリアされたボールが再び目の前にこぼれてくると、左足ダイレクトで絶妙のスルーパスを送った。走り込んだルイス・ガルシアが左足で先制弾。最高のおぜん立てを受け「(新スタジアム初得点で)歴史に名前が残せたのは中村のおかげ。今度ぜひ食事をおごりたいね」と感謝した。

 中村はこれまで右MFでプレーしており、左は対外試合3試合目で初。それでも「ビックリしたけど、別にどこでも大丈夫」と序盤から美技を連発した。前半13分に華麗な股抜きを披露すれば、前半41分にはタムードに絶妙のスルーパスを通した。タムードがネットを揺らしたが、オフサイドの判定。微妙なジャッジで2アシスト目は幻となったが、前半ラスト5分はポチェッティーノ監督の指示でトップ下に入るなど存在感は抜群だった。

 ケガから復帰して中村と初共演したデラペーニャは「素晴らしい選手。彼とは感覚が合う」と絶賛。一夜明けた3日付の地元紙も賛辞の言葉を並べた。アスが「ファンの愛情を勝ち獲った」と報じれば、スポルトは中村の左足を「手袋のようにしなやか」と表現した。

 チームはビルバオとのリーグ開幕戦(29日か30日)に向けて5日からイタリア遠征に出発する。中村は「まだ1カ月ある。リーグ戦を想像しながら、いろいろな引き出しを出せていければいい」と前を向いた。イングランドの名門を3―0で破る最高の本拠地初戦。日本の誇るレフティーが4万人の観衆を魅了して、歴史的一戦に名を刻んだ。

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2009年8月4日のニュース