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犬飼新会長 いきなり“独自色”発揮

[ 2008年7月11日 06:00 ]

新会長就任が決まった犬飼専務理事(中央)

 新会長がいきなり剛腕を振るった。日本サッカー協会は10日、都内で常務理事会を開き、定年のため退任する川淵三郎キャプテン(71)の後任会長にJリーグ専務理事の犬飼基昭氏(66)を昇格させる人事案を承認した。改革派として知られる犬飼氏は、元ラグビー日本代表監督の平尾誠二氏(45)、女子テニスのクルム伊達公子氏(37)を初の外部からの理事として招へい。人事面で早くも独自色を出した。新役員は12日の評議員会・理事会を経て正式決定する。

 3期6年にわたって改革を続けてきた川淵キャプテンの後釜に抜てきされた犬飼氏が、いきなり人事で強権を発動した。平尾氏、伊達氏を4人以内の新会長推薦枠で理事に招へい。Jリーグでは元バレーボール選手の三屋裕子さんを理事に起用したことがあるが、日本協会が外部から理事を招くのは初めてだ。

 「サッカーをグローバルに育てていくには、サッカーだけでやるより他のスポーツからも来てもらった方がいい」。2人とは浦和社長時代に建設した総合スポーツ施設「レッズランド」での指導を依頼したことで出会った。ともに国際経験が豊富で「スポーツ文化を日本に根付かせたい」という犬飼氏と考えが一致。会長候補として挙げられた先月下旬に早速、理事就任を要請していた。

 議決権のない理事である特任理事だった風間八宏氏(46)も仕事ぶりを評価して理事に抜てき。地域選出理事を除く17人の理事の3分の1に当たる6人が新任となった。浦和の社長就任時の02年に全体の7割の社員を異動させてクラブの活性化を図った。「改革をやるときには反対派が出るが、それでもやらなければいけない」という持論を、協会人事でも貫いた。

 協会運営については「川淵会長がやってきたことをどう発展させるかを、これからゆっくり考える。アイデアはそう軽々しく出るものでない」と慎重に話したが、川淵キャプテンは「僕にない新たな改革を、彼ならやってくれると思う」と期待する。三菱自動車の欧州法人や浦和で、社長として優れた経営手腕を発揮した実績派会長。代表人気の伸び悩みなど、課題も多いサッカー界のかじ取りが注目される。

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2008年7月11日のニュース