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前半から特攻!!俊輔 先制逃げ切りだ

[ 2008年6月6日 06:00 ]

練習後、氷水に両足をつける中村俊

 敵は暑いうちに討て!サッカーのワールドカップ(W杯)アジア3次予選第4戦でオマーン代表と対戦する日本代表は5日、マスカット合宿2日目に突入した。MF中村俊輔(29)は酷暑の敵地オマーン戦に向け、セオリーを無視した前半からの仕掛けを提唱。スタミナ温存の後半勝負ではなく、先制点で相手の戦意を奪う作戦で、W杯アジア3次予選突破に王手をかける。

 天才レフティーが、セオリーを度外視した前半での特攻を提唱した。体感気温は50度超が予想される酷暑の敵地オマーン戦。試合終盤には日も陰り、気温は下がるとされる。だが、中村の頭にはスタミナ温存の後半勝負など毛頭なかった。しゃく熱のピッチで熱く、一気に攻め立てる方針を決めた。
 中村「後半勝負か?いや。先に1点を取れたら大きいからね。オマーンはオレらよりも(往復で)移動距離も長いし、1戦目も負けている。先に1点取れば(あきらめて)ボールを追って来なくなる。そうなれば大きいよね」
 つまり中村のもくろみでは先制点を奪えば、相手は戦意を失うとみている。当然、運動量は落ち、日本の省エネにも直結する。もちろん簡単ではない。そのために中村は意思統一、連動性を呼びかけた。
 中村「暑い時こそ、どれだけ意思統一できるか。誰かが行くときは皆で行けば、移動距離は短くて済む。1人で走り回っても消耗するだけ。テレビで見てる人はもっと動けって思うだろうけどね。こういう時こそ(周囲の動きを)感じてサポートしないと。省エネ?いや効率だよ」
 この日、中村の作戦に有利な事実も判明。オマーン協会によれば、会場の芝は2センチ以下の超極短にカットされた。「7日までに多少伸びる」と話しており、決戦当日には岡田監督がもっとも好む2・3センチ程度の「高速ピッチ」が完成する。黄金の左足が最大限に生かされるピッチになる。
 5日の練習でも汗だくになり、最後は居残りFK練習で締めくくった中村。ともに汗を流したFW大久保も「前半から飛ばす。ガンガンいく」と、中村提唱の前半特攻を支持した。敵は暑い内に討ち、日が陰る終盤は涼しく逃げ切る。俊輔の描くオマーン撃破の青写真は完成した。

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2008年6月6日のニュース