×

J制裁内規新設…今後は勝ち点はく奪も

[ 2008年5月23日 06:00 ]

磐田・中山の飲酒運転禁止のポスターの前を通る鬼武チェアマン

 不祥事が相次ぐJリーグは22日、東京・本郷のJFAハウスでJ1とJ2の臨時合同実行委員会を開催。Jリーグ規約にクラブや選手への制裁を明確にする内規を新設することを決定した。内規はJ1が再開する6月28日までにまとめる予定で、鬼武健二チェアマン(68)は前例がない無観客試合や勝ち点はく奪の処分も加える方針を示した。

 実行委員会を終えた鬼武チェアマンは悲壮な表情だった。会見の第一声は「Jリーグは、極端に言えば存亡の危機にある」。相次いだ不祥事に、今後は厳しく対応していく方針を示した。悪質な違反行為には「極端なことを言えば、無観客試合や勝ち点はく奪といったこともあるかもしれない」と明言。これらの処分はJリーグで一度も行われていないが、「たくさんの失敗が、いい経験として生かされていない」だけに、“厳罰”に踏み切る可能性を口にした。

 実行委員会では、Jリーグ規約にある「制裁」を細分化するため内規を加えることが決まった。具体的には(1)スタジアムのセキュリティーに関して(2)道路交通法など法令の違反に関して(3)レフェリー、選手に対する異議、侮辱行為に関して――の3点。それぞれ違反の度合いによって、出場停止の期間、制裁金の額などを明確化する。また、選手にも理解してもらうため、各クラブに「Jリーグの信頼回復に向けて」という文書を配布。「法令遵守(じゅんしゅ)」「世界に誇れる安全で快適なスタジアムづくり」「自らの言動に責任を持つ」などの注意項目が記された。これらの防止策が実を結ぶかどうかは、クラブ、選手が真しに受け止められるかどうかにかかってくる。

 17日の浦和―G大阪で起きたサポーターの騒動に関しては21日に浦和から報告書が提出された。選手の飲酒運転が発覚した鹿島からはこの日、報告書を受け取った。いずれも、来週早々に鬼武チェアマンが堀田裁定委員長と話し合い、裁定委員会でクラブへの処分を決める。

続きを表示

2008年5月23日のニュース