【天皇賞・秋】マスカレードボール 底知れぬ可能性 手塚久師「想像がつかない」
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水曜企画「G1追Q探Q!」は担当記者が出走馬の陣営に聞きたかった質問をぶつけて本音に迫る。伝統の古馬G1「第172回天皇賞・秋」は東京本社の鳥谷越明(56)が担当。今春のクラシックで皐月賞3着→ダービー2着と活躍したマスカレードボールを送り出す手塚貴久師(61)を徹底取材した。「天皇賞への思い」「似ている管理馬」「想像する最終形」の3テーマを問う。
(1)天皇賞への思い
自らの管理馬は出走していなかったが、手塚久師には忘れられない天皇賞・秋がある。11年ぶりの天覧競馬となり、イクイノックスが圧巻の大レコードで連覇を飾った23年。当時、日本調教師会の会長という要職を務めていた師には両陛下を東京競馬場で迎えるという大事な役目があり、両陛下と直接会話をするという貴重な機会に恵まれた。
「実際にお話をして、天皇陛下が馬に対して、とても深い見識を持たれていることに感激した。日本国民のホースマンとしては、最高の名誉となるレース。ますます、勝ちたい気持ちが強くなった」
京都競馬場が舞台となる天皇賞・春はフィエールマンで既に2勝(19、20年)しているが、秋は20年の同馬の2着が最高で未勝利。「やっぱり、東京の天皇賞というのは特別という思いがある。関東で調教師をやっている以上、ぜひとも欲しいタイトル」。その熱い思いをかなえてくれそうな逸材を今年は出走させる。
(2)似ている管理馬
今秋の盾はソールオリエンスとマスカレードボールの2頭出し。格は皐月賞馬のソールが上だが、今回大きな注目を集めるのは鞍上にルメールを迎えたマスカレードの方だろう。これまでに7頭のG1馬を育ててきた手塚久師に「過去の管理馬で似たタイプは?」と質問してみると「いない。こういうタイプは初めて」との答えが返ってきた。
「例えばフィエールマンは全てに対して真面目で調教も競馬も走り、ストレスをかけても大丈夫だった。マスカレードは、ストレスをかけたら走らない」と同師。キャリア唯一の大敗(11着)を喫したホープフルSの頃は「人間の都合を押し付け過ぎて、ケンカしてしまった」と振り返る。
その後はゲート練習をやめるなど精神面に最大限の配慮をして調整。その工夫が共同通信杯V→皐月賞3着→ダービー2着の好成績につながった。「本気になった時の体の沈み方はフィエールとも違う。ちょっと見たことがない。ダービーのゴール前は本当に凄かった」。経験豊富な名伯楽にとっても未知の逸材だ。
(3)想像する最終形
そんな底知れぬ可能性を秘めたマスカレードだが、3歳秋を迎えた今も、調教時に大半の馬が行っている「向正面からの馬場入り」ができない。極端に嫌がって出口で止まってしまうため、やむを得ず、地下馬道を通る時間が短いスタンド前からコースに出して調教している。「まだ、お坊ちゃま。気分を害さないように、こちらがケアしてあげないとね」と苦笑いを浮かべる師に「最終形はどんな馬になると思う?」と質問すると、ここでも「想像がつかない」が返答だった。
「幼児体形で、まだフニャフニャしている。この現状で天皇賞を勝てるようなら、来年は凄い馬になるかもね」と師。今回は自信なしとも聞こえるコメントだが、そう記者が感じたことを察したのか「もちろん今回も期待しているよ」と笑った。師のG19勝中4勝を挙げ、今秋も秋華賞&菊花賞を連勝中と絶好調のルメールを鞍上に迎える今回、期待は高まるばかりだ。
《28日のマスカレードボール》坂路でキャンター調整。休み明けを感じさせない軽快なフットワークで駆け上がった。見届けた手塚久師は「順調に来ている。ひと夏越して従順になった。日曜追いで負荷をかけたので間隔を空けて木曜に追い切りたい」と語っていた。
《ソールオリエンス 復権へ衰えなし》マスカレードとの2頭出しとなるソールオリエンス。近走はひと息の戦績だが、3歳時に皐月賞V&ダービー2着の強豪。馬体や稽古を見る限り、まだ衰えはない。手塚久師も「(1週前に)初めて乗った丹内が“走る馬という印象を受けた”と言ってくれた」と新コンビを組む鞍上の好感触に笑顔。「馬任せだと最後方になるので2角までをどうするか」と実力馬の復権へ作戦を練っている。
◇手塚 貴久(てづか・たかひさ)1964年(昭39)9月20日生まれ、栃木県出身の61歳。89年に競馬学校厩務員課程入学。同年10月から相川勝敏厩舎→佐藤林次郎厩舎で厩務員、90年から佐藤全弘厩舎で調教助手。98年に調教師免許を取得し、99年3月に厩舎を開業した。JRA通算7247戦715勝、同重賞40勝。G1は23年皐月賞(ソールオリエンス)など9勝。13年には異なる馬でG12勝を挙げる活躍で東京競馬記者クラブ賞を受賞。
《取材後記》手塚久師が厩舎を開業したのは99年の3月。記者はその2カ月前の1月に人事異動で競馬担当となった。“同期”と気付いたのは後になってからだが、5歳年上の師は取材対応がとてもフランクで話しやすく、開業直後から親しくさせていただいている。自分が現場を離れている間も交流は続いており、今回約6年ぶりに現場復帰が決まったことを最初に伝えたのが同師。「そうなの?大丈夫?ちゃんと仕事できるの?」と笑って歓迎してくれた。
今回の企画取材でも、答えにくい質問にも腕組みをしながら何とかコメントをひねり出してくれて感謝。そんな師に、ずっとお願いしていることがある。それは、残りはダービーだけとなっている「クラシック完全制覇」達成時の手記掲載だ。ソールオリエンスとマスカレードボールの2着惜敗はとても残念だったが、近い将来、必ず寄稿してもらえると信じている。 (鳥谷越 明)
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