【ボートレースコラム】「ニイちゃん、何や初めてか」 ボートレース場には人生訓が転がっている

[ 2024年12月3日 04:30 ]

ボートレース尼崎
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 レース場に着いて、仕事前に時間がある時は場内を散策して人間観察をするのが楽しみだ。若者が喜色満面、水面際で大騒ぎしている光景を見ると「俺の“舟券デビュー戦”はひどいもんだったな」と何度思い起こしても笑ってしまう。

 記者がボート場を初めて訪れたのは尼崎だった。大学受験の前日に祖母から「試験頑張ってね」と1万円をもらい、全部スッてしまったのを覚えている。

 なぜボート場を訪れたのか。高校時代からスポーツ新聞を熱心に読み始め、未知の世界に興味津々だった。我流でギャンブルを覚え始めて競馬、競輪と一通りこなしたが、ボートだけは紙面の出走表と結果しか見たことはなく、いつか行ってみたいと思っていた。

 新聞紙面の片隅に掲載されているスリット写真がゴール写真だとずっと思い込んでおり「ボートって毎回こんな接戦なんだ。走る選手もそうだけど、ファンも毎回こんな接戦ばかりだと心臓を悪くする人も多いんじゃないか」と本気で心配していたほどだ。

 実際にレースを初めて見て「接戦どころか差がどんどん広がるばかりじゃないか」とがっかりしたが、的中舟券を握り締めたおじい様からこう慰められ、人生にはいろんな視点があるんだなと感心したこともある。「ニイちゃん、何や初めてか。ボートの一番エエとこ教えたろか。それはな、当たった時にエクスタシーが長く続くっちゅうことやな」

 当時は道中で着順が変わることは少なく、1Mで決まってしまえば後は残り2周半ひたすら心を躍らせるだけ。「コレ本線だぞ。今日は何買う?夜はどこ行くかな」なんてたった1分半で妄想が高揚感に変わる楽しみは他のギャンブルでは味わえないものだった。

 ボート場は初心者大歓迎。分からないことは隣のおっちゃんやお姉さんに聞けば喜んで教えてくれるでしょう。現場で音と匂いを味わいながら、日常では味わえない人生訓を見つけることをオススメします。(白鳥 幹太)

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