福永が冗談半分に語った“二刀流”の夢

[ 2023年2月27日 05:27 ]

リヤドダートスプリントでリメイクに騎乗した福永祐一騎手(ゲッティ=共同)
Photo By ゲッティ=共同

 【記者フリートーク】前週に東京、そこから海を渡ってサウジアラビアへ。騎手・福永の現役ラストを目に焼きつけた。競馬担当になって5年、これまで何度も取材させてもらい、感謝の気持ちしかない。その中で最も印象に残っているのが、レースを分析する上での的確な視点だ。それがあって馬の個性をしっかり引き出す。近年の成績を見ても今が旬、いや、仮にこの先もキャリアを積めば、もっと円熟味を増していくに違いない。実際、本人も「去年と今年を比べてもそうだし、まだまだうまくなれそう」と話していた。

 その週の競馬に関してだけでなく、雑談にしても人を引きつける話力がある。まだ調教師試験が話題にすらなっていない頃、こんな話をしていた。「無理なことだけどジョッキーを続けながら厩舎を開業したい。10馬房ぐらいで少数精鋭。各カテゴリーのスペシャリストをそろえたい。レースは自分で乗るけどね(笑い)」。もちろん、この二刀流は実現しない。冗談半分ではあっても早い段階で将来の転身を明確に思い描いていたのだろう。競馬ゲームはウイニングポスト派。大好きなゲームの世界を飛び出し、リアル福永厩舎が誕生へ。騎手としての姿が見られないのは残念だが、それと同時に開業後が楽しみでならない。(競馬担当・新谷尚太)

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