福永 ラスト12着、3着も笑顔「やりたい競馬ができた」

[ 2023年2月27日 05:28 ]

リメイクで臨んだリヤドダートスプリントが騎手として最後のレースとなった福永祐一(共同)
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 敗れても晴れやかな表情だった。サウジアラビアの地元ファンの熱狂的な空気に包まれたキングアブドゥルアジーズで福永の27年間の騎手生活が幕を閉じた。

 ラスト2鞍に魂を込めた。この日、最初の騎乗となった6R・サウジダービーはテン乗りのエコロアレスと呼吸を合わせ、道中2番手からスムーズに追走したが12着。続く7R・リヤドダートスプリントのリメイクは前走・カペラSと同様、道中は後方で脚を温存。直線400メートルに勝負を懸けた。福永が鼓舞し、トップギアに入るとグングン加速。外から懸命に脚を伸ばしたものの米国馬2頭に及ばず3着。勝ったエリートパワーに騎乗したデットーリは福永にとって憧れのジョッキーだ。引き揚げてきた福永は「やりたい競馬ができたし、最後はよく伸びてくれたけど勝った馬が強かったです。これから先こういったチャレンジをしていく上で、いい経験になったと思います」と相棒をねぎらった。自身の有終Vはならなかったが最後まで笑顔。「これで終わりか、という思いはありました。これから徐々にいろいろな感情が押し寄せてくると思います。ジョッキールームに戻るとフランキー(デットーリ)やライアン(ムーア)、モレイラ、レーンらが、僕は今日が最後というのを知ってくれていて祝福してくれました」と世界各国の騎手仲間に感謝した。

 96年3月のルーキーイヤーから第一線で活躍し、歴代4位のJRA通算2636勝をマーク。数々の名馬と出合い、JRA・G134勝とビッグタイトルを積み重ねた。来月から調教師として将来の開業に向けた修業の日々が始まる。「無事、騎手生活を終えることができました。日本に帰って引退式(3月4日、阪神)で自分の気持ちを伝えられたら、と思います」。名手から名調教師の道へ。福永祐一、ホースマン人生の第2章が幕を開ける。

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