【七夕賞】原の恩返し!トーラスジェミニで連覇果たす 柴原オーナー&小桧山師に「結果で応えたい」

[ 2022年7月8日 05:30 ]

注目の若手騎手

原優介(撮影・郡司 修)
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 夏競馬は若手騎手にとって絶好のアピールの場。毎週金曜付で紹介する「注目の若手騎手」第2回は3年目の原優介(22=小桧山)を取り上げる。日曜福島メイン「第58回七夕賞」では連覇が懸かるトーラスジェミニ(牡6=小桧山)とコンビを組む。周囲への感謝を込めた入魂の騎乗で、悩める相棒を復活へと導く。

 原が短冊に記す願いは「恩返し」。ミヤビランベリ(08、09年)以来、史上2頭目の七夕賞連覇が懸かるトーラスジェミニの手綱には特別な思いがある。

 前走・エプソムCで11着。当初は安田記念を使うプランもあった。ただ、それではG1騎乗条件(JRA通算31勝以上)を満たしていない原が乗れない。原の継続騎乗を優先させ、柴原榮オーナーと師匠である小桧山師が路線変更を決断してのG3参戦だった。原は最高の結果をたぐり寄せることができなかったが、連覇が懸かる七夕賞でも手綱を任された。親心に「結果で応えたい」(原)。感謝の念が燃えたぎる。

 通算26勝の現状に満足しているわけがない。もがく3年目。自ら願い出て、リーディング争い常連の戸崎に師事した。これまでは戦前に想定した理想の位置取りにこだわっていたが、「勇気を持って馬のリズムを大切にすることの重要性を教えていただきました。道中、無駄に脚を使わないことがしまいに生きる感覚があります」。助言が結果に結びついたのはリネンファイトと逃げ切った6月19日の東京2R(3歳未勝利)。派手なアクションなしに自然体で主導権を握った。長い直線、一度は2番手の馬に前に出られたが、慌てて追い出さなかった。リズム重視で運んだことによる道中の貯金を生かし、二枚腰を引き出して差し返した。

 「騎手としての目標は同期の中で一番長く現役を続けること。デビュー前に考えていたより現状、勝てていませんが、信頼を積み重ねて需要があるジョッキーになって厩舎に恩返ししたい。そして、いつかは師匠のように、どん底にいる人にも手を差し伸べられるような人間になりたい」

 現在、原を含め3人の所属騎手を抱え、厩舎出身者からは多数の調教師を輩出している小桧山厩舎。“人も育てる”名門の元気印は、人としても、騎手としても大きくなっている最中だ。まだまだ3年目。でも、その成長物語のターニングポイントが今年の七夕賞になるかもしれない。

 《相棒復活へ「展開も馬場も向く」》我を出さないタイプという相棒トーラスジェミニは昨年の七夕賞後は8戦連続で馬券圏外が続くが、「展開も内有利の馬場もこの馬に向くと思います。切れる脚はないので福島は合う。雨が降ればさらに」と巻き返しを誓う。今年、原が小桧山厩舎の所属馬に騎乗したのは同馬の3鞍を含め計48鞍。【1・2・5・40】と勝ち切れてはいないが、複勝回収率123%と“ベタ買い”でもうかる好成績を残している。

 ◇原 優介(はら・ゆうすけ)2000年(平12)6月10日生まれ、東京都出身の22歳。20年3月1日デビュー。同4月5日、中山12Rのタイキダイヤモンドで初勝利。5日のヤングジョッキーズ盛岡ラウンドでは応援に駆けつけた秋田県在住の祖母と7年ぶりに再会し「元気をもらってきました」。JRA通算1169戦26勝(7日現在)。1メートル58、47キロ。血液型B。趣味はゴルフ。

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