【天皇賞・春】横山和の父譲り“神騎乗”に期待

[ 2022年4月29日 05:30 ]

タイトルホルダーの追い切り後に会見する横山和(撮影・郡司修)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、天皇賞・春(G1)が行われる。本来なら京都競馬場が舞台となるこのレースだが、同競馬場の改修工事に伴い今年は昨年に続き阪神競馬場で施行される。“騎手の腕がモノをいう”と言われる芝3200メートルの長丁場で競馬場もいつもとは違うため、さらに鞍上の技術がモノをいいそうだ。

 そして実際に勝利騎手の名を見るとやはり“騎手の腕がモノをいう”と言われるのもうなずける。現役では平成の盾男と言われた武豊騎手がダントツの8勝、続いて東の名手・横山典弘騎手が3勝、C・ルメール騎手も2勝を挙げている。

 特に日本を代表する2人の名手の手綱さばきはどれも印象的ではあったが、その中でも舌を巻いたのは横山典弘騎手のイングランディーレ(04年)でありゴールドシップ(15年)だ。

 前者は18頭立ての10番人気で単勝は実に71.0倍。スタートで押してハナを奪うと終始2番手以下を離して単騎の逃げ。結果、2着ゼンノロブロイに7馬身の差をつけて悠々とゴールラインを通過した。

 また、後者のゴールドシップはスタートで押しても全く行く気を見せず正面スタンド前は後方で通過。しかし、向正面に入ると押しながら一気に脚を使って先団へ。最後は粘り込みを図るカレンミロティックをかわし、追い上げてきたフェイムゲームの末脚も封じて先頭でゴールした。

 決してセオリー通りではない騎乗ぶりでの勝利は“神騎乗”とも言われたが、当時、本人に聞くと「後から見ると自分でも“よくあそこから動いたな”って思います」との答え。もちろんこれをうのみにはできないが、大舞台での経験値から育まれた勘が体を自然と動かしたというのも事実ではあるのだろう。

 さて、今年の天皇賞では彼の長男である横山和生騎手が人気の一角を担うだろうタイトルホルダーに騎乗する。また、現役騎手としては3位タイとなる春の盾2勝の和田竜二騎手も人気確実のディープボンドに騎乗する。横山典弘騎手のような“神騎乗”が見られるか。期待したい。(フリーライター)

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2022年4月29日のニュース