【高松宮記念】決め手NO・1ナランフレグ!5F55秒以上かかれば差せる

[ 2022年3月23日 05:30 ]

ナランフレグ
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 春のG1シリーズ新企画「G1展開王~前か後ろか」がスタート。G1週の水~土曜付で、予想のファクターとして重要な展開を、データやラップタイム、馬のポテンシャル、陣営の談話などから多角的に分析する。開幕戦は桶狭間の電撃スプリント決戦「高松宮記念」。初回はナランフレグにスポットを当てる。毎回、後方から直線勝負に懸けるThe追い込み馬。果たして今回は届くのか、それとも…。

 現役屈指の快速ホースが集う「春の電撃王決定戦」。キャラクターは“十馬十色”だが、決め手にフォーカスすればNo・1はナランフレグだ。芝6Fのオープンで11戦し、うち8戦で上がり(3F)最速。末脚の爆発力には絶対の自信を持つ。特に直近4戦は全て最速の3F33秒台で【1・2・1・0】と、その確実性も増した。宗像師は「ようやく差す形が板についた。年齢を重ね気持ちの面も安定した」と目を細める。

 最近は阪神、中山でも好走。以前は苦手だった右回りも克服したが、それでも宗像師は「やはり左利き。特に中京がベスト」と話す。その中京6Fは【1・2・1・1】。好走の条件は(表1)にまとめたレースラップに表れている。前半3F通過が33秒以上だった3戦は全て3着以上で馬券圏内。一方、32秒台に突入した2戦は前半5Fで比較。2着に入った鞍馬Sは4F目以降にラップが落ちて55秒4。10着に大敗したセントウルSはハイラップが継続し54秒9で通過した。追い込み馬は激流向きの印象だが、あまり速くなり過ぎても道中で前との差を詰められない。セントウルSでも全体3位となる3F33秒0の末脚を使ってはいるが、上位には届かなかった。

 「前半3F32秒台、かつ5F55秒」。この基準より速いラップだと、ナランは苦しくなる。今回はどうか?メンバー中、この基準より速い逃げの経験があるのはファストフォースのみ。昨年のCBC賞で前半3F32秒3、5F54秒3で通過。1分6秒0の日本レコードで逃げ切った。ただ、当時の小倉は開幕週で他のレースでもレコードが頻発した特殊な高速馬場。芝の傷みが進んだ今の中京で同じラップを刻めるかは疑問だ。レシステンシア、メイケイエールなど速いラップを刻める有力馬も多いが、最近のレースぶりを見る限り、何が何でもハナへという戦法は考えにくい。意外にペースは落ち着くのではないか?

 12年のコース改修以降、中京の良馬場で行われた高松宮記念5戦のレースラップは(表2)の通り。ナランフレグの好走基準に該当しないのは16年のみ。勝ったビッグアーサーはコースレコード。そこまで速くなってはお手上げだが、例年通りなら好走の確率は高まるはずだ。懸念は天気と馬場。芝6Fの全15戦中、14戦が良馬場。重~不良の経験はない。週末の中京は雨予報。流れは向いても、道悪で同じ決め手が使えるかは未知数というしかない。

 ▽中京芝1200メートルの特性 大幅なコース改修を行って12年に新装。直線はそれまでの313・8メートルから412・5メートルまで延長。芝コースの高低差は3・5メートルで中山、京都に次いで起伏が激しい。1200メートルのスタート地点は向正面半ば。発馬直後に最高地点を迎え、そこから緩やかに下り続ける。3~4角は入り口が緩やかで、4角にかけてきつくなるスパイラルカーブを採用。直線残り2Fから高低差約2メートルの急坂を一気に駆け上がり、ゴールまでさらに残り1Fの叩き合い。先行馬には厳しく、差し、追い込みが決まりやすいタフな舞台といえる。

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2022年3月23日のニュース