【南部杯】王者の貫禄アルクトス連覇!田辺ここ6年で4勝目

[ 2021年10月12日 05:30 ]

第34回マイルチャンピオンシップ南部杯で優勝したアルクトス
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 交流G1「第34回マイルCS南部杯」が11日、盛岡競馬場で行われ、1番人気アルクトス(牡6=栗田)が好位から抜け出して快勝。日本レコードで制した昨年に続く連覇を決めた。2連覇は16、17年のコパノリッキー以来。田辺裕信(37)は、このレース4勝目となった。

 泥にまみれた各馬が引き揚げてくる検量室前。アルクトスと田辺の姿はスタート前のようにきれいだった。好位の外を泥をかぶらず回り続ける王者の競馬。悠々と抜け出して2連覇。ここ6年で4勝と、すっかりこのレースの顔である田辺は「コースもレースも馬場状態も合っていた。もう盛岡の馬ですね。競馬はずっとここでいいです」と上機嫌だった。

 大外枠からスッと3番手の外を確保。楽なペースで直線へ。抜群の手応えで先頭に立つと、迫る後続も問題なし。昨年の日本レコードより2秒6遅い、1分35秒3での決着だったが昨年同様に先頭で駆け抜けた。田辺は「前走は内枠で窮屈な競馬だった。スタートさえ普通に切れたら(外を回しても)いいと思っていた。スローだったけど競ってくる馬もいなかったので余裕を持って直線に入れました」と振り返った。

 右前球節に弱さを抱えるが不安を乗り切っての勝利だ。6月のさきたま杯以来。今年まだ4戦目。栗田師は「前走後もしっかりケアして、この馬のベストを出せる状態にしようと。鍛えて鍛えてという感じだった昨年とは違う。こちらの自己満足で調教をやってもいけないと思えたし、たくさん勉強させてもらっている」と愛馬に感謝を伝えた。

 これでアルクトスは南部杯を3戦2勝、2着1回。次走が楽しみだが、師は「年内は予定通り休ませようと思う」。次なるターゲットはフェブラリーS(開催日未定)の見通しだ。慎重に、大切に使われる6歳馬。きっと来年も盛岡で素晴らしい走りを見せてくれるだろう。

 ◆アルクトス 父アドマイヤオーラ 母ホシニイノリヲ(母の父シンボリクリスエス) 牡6歳 美浦・栗田徹厩舎 馬主・山口功一郎氏 生産者・北海道新冠町の須崎牧場 戦績22戦10勝(地方5戦3勝) 総獲得賞金2億9964万3000円 重賞は21年さきたま杯に続く4勝目。

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