【ジャパンダートダービー】単勝万馬券!キャッスルトップ逃げ切りV 仲野「こんな日を妄想していた」

[ 2021年7月15日 05:30 ]

<ジャパンダートダービー>レースを制したキャッスルトップの仲野はガッツポーズ(撮影・村上 大輔)
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 春の3歳ダート王決定戦、中央交流G1「第23回ジャパンダートダービー」が14日、大井競馬場で行われた。ブービー12番人気のキャッスルトップが逃げ切って驚きのV。手綱を取った仲野光馬(かづま、31)とともに重賞初制覇がG1タイトルとなった。単勝1万2950円は昨年のダノンファラオの4060円を大きく更新する単勝配当レコード。馬連、馬単も更新した。地方馬の優勝は17年ヒガシウィルウィン以来、4年ぶりとなった。

 レース後の検量室前。キャッスルトップから下馬した仲野を取り囲むように地方競馬関係者から次々と声が上がった。「うそでしょ」「うそでしょ」「マジ?」「競馬って夢があるなぁ」「競馬の神様がいるんだなぁ」。

 誰もが驚いた結末。手綱を取った仲野本人でさえ「これは本当に凄いでしょ」と興奮していた。

 迷いはなかった。好スタートを決めると押して押して12番枠から一気にハナを奪った。2角ではロードシュトロームを5馬身引き離しての逃げ。3角で2馬身差まで詰め寄られ、残り300メートルで半馬身差となったが、そこからの粘りが驚異的だった。残り200メートルから左ステッキが入りっぱなし。ロードは振り切った。だが、今度は馬群を割ってゴッドセレクションが迫る。最後は執念。頭差、振り切った。

 その直後、仲野は左手を力強く上げた。「ゴールした時は勝ったと分かりました。人気はなかったけど一番、勝ちに近いイメージで乗ることができた。G1ジョッキーと言われても…重賞も初ですから。こんな日を妄想していたけど現実になりました。本当にうれしい」。初々しさ満点で声をはずませた。

 ここまで3連勝していたが格下の存在。8月の重賞・黒潮盃を目指して自己条件を使うか、このレースを使うか。渋谷師にも迷いはあった。思い切った決断が実を結んだ。同師にとっても重賞は11年東京シンデレラマイル(テイエムヨカドー)以来11年ぶり。「勝っちゃった、というのが今の心境。自分の形に持ち込めれば…と思っていたけど、びっくりした」と素直な心情を吐露した。「タイトルを獲ったから今後は馬の様子を見ながら次走を決める」と予定を変更。一気に頂点に上り詰めた波乱の立役者から目が離せなくなった。

 ▼菜々緒 感動で鳥肌が立ちました。やはり競馬は迫力が凄い。勝った仲野騎手のインタビューを聞き、さまざまなドラマがあるのだと改めて感じました。(TCKイメージキャラクターとして来場)

 ◆キャッスルトップ 父バンブーエール 母ジーガートップラン(母の父マヤノトップガン) 牡3歳 船橋・渋谷信博厩舎 馬主・城市公氏 生産者・北海道新ひだか町の城市公氏 戦績12戦4勝 総獲得賞金6891万円。

 《売り上げレコード》ジャパンダートダービーの売り上げ23億5798万900円は同レースの歴代最多を記録した。対前年比101・2%で、20年の最多売り上げ額を塗り替えた。

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