【函館記念】カフェファラオ 大谷ばりの二刀流!併せ馬で圧巻先着、ルメール大満足「ダイナミック」

[ 2021年7月15日 05:30 ]

芝の併せ馬で先着したカフェファラオ(左)(撮影・千葉茂)
Photo By スポニチ

 夏の函館を彩る名物ハンデ重賞「第57回函館記念」(サマー2000シリーズ第2戦)の追い切りが14日、函館&札幌競馬場で行われた。2月のフェブラリーSを制した砂の王者カフェファラオ(牡4=堀)が主戦クリストフ・ルメール(42)を背に芝コース併せ馬で圧巻の先着。衝撃のターフデビューVを飾り、大谷翔平ばりの二刀流ホースへの道を歩むか。

 さすがはG1馬。砂の王者カフェファラオが芝でも躍動した。ルメールを背に実戦と同じ函館競馬場の芝コースへ。向正面の残り1000メートル付近からピッチを上げ、チャックネイト(3歳未勝利)を3馬身追走した。4コーナーで内に入れると一瞬でギアが上がって抜き去った。ゴール地点では1馬身、さらに1コーナー手前では4馬身前にいた。5F66秒4~1F11秒9(馬なり)。地響きのような蹄音に、これから馬場入りする馬たちが驚いて立ち上がるほどだった。

 ルメールは笑顔で切り出した。「芝は大丈夫!!走り方はとても良かった。手応えもバッチリ。ちょっと太めだけど休み明けだから問題ない。直線は凄くいい脚を使ってくれた。うん、ダイナミックだった」。今年も103勝で全国リーディング首位を快走する名手のお墨付きなら鬼に金棒だ。

 函館に駆けつけた堀師からも正式にゴーサインが出た。「芝の適性は大前提ですがシャープターン(小回り)と距離適性を見極めたくて、ここを使います。追い切りはブリンカー着用(実戦はチークピーシーズ)で行きっぷりも良く、芝をしっかりつかんで走って体も大きく使えていた」

 父アメリカンファラオは15年の米3冠馬。現役成績だけを見ればダートだが、産駒からはフォーホイールドライブ(19年の米G2BCジュヴェナイルターフスプリント優勝=芝5F)やメイヴェン(19年の仏G3デュボワ賞=同)など芝重賞勝ち馬も出ている。

 MLBオールスターで二刀流を実現し、勝利投手にもなった大谷翔平が野球界の二刀流なら、ファラオはダートと芝の新二刀流候補。今年2月のG1フェブラリーSは3番手につけて堂々と抜け出した。JRAダートG1馬がその後に同芝重賞Vを決めれば、03年安田記念を制したアグネスデジタル(02年フェブラリーS優勝)以来、18年ぶりだ。ルメールは「2000メートルは初めてだけど(小回りの)函館なら大丈夫そう。芝でも大丈夫!!」。堀師も「函館入厩後の環境の変化の影響もなく、カイバ食いもいい。良馬場でやれそうなのは何よりいいですね」と意気込んだ。週末の熱視線はクアーズ・フィールドから北の大地・函館へ。新二刀流誕生の瞬間を目に焼きつけろ。

 《20年モズアスコットが芝&ダート双方G1V》芝&ダートの“二刀流”で活躍した馬は少なくない。93年エリザベス女王杯を制したホクトベガは96年フェブラリーS(当時G2)などダート重賞10勝。「砂の女王」と呼ばれた。アグネスデジタル、クロフネ、アドマイヤドン、近年ではモズアスコットが18年安田記念、20年フェブラリーSと芝&ダート双方G1制覇を飾っている。また、オジュウチョウサン(牡10=和田正)は障害G1・7勝のジャンプの絶対王者だが、18年有馬記念(9着)にも出走し、平地と障害の二刀流と呼ばれた。

続きを表示

2021年7月15日のニュース