【天皇賞・春】5歳牡馬ワールドプレミアを信頼 格が違う菊花賞馬

[ 2021年4月27日 05:30 ]

ワールドプレミア
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 過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す「G1データMAX」。混迷の天皇賞・春だが、データ分析から浮かび上がったのはワールドプレミア(牡5=友道)。G1にしては低調なメンバーの中、菊花賞勝ちの実績と格がものをいうとの結論だ。

(1)前走 過去10年で3着以内に入った30頭を前走別に振り返ると阪神大賞典10頭(3勝)、日経賞7頭(2勝)、大阪杯6頭(3勝)。この3重賞からの臨戦が全体の8割弱を占める。古馬G1では最も格式が高いレースだが、前哨戦から格がものをいう印象。ダイヤモンドS2着から挑むオーソリティ、同舞台の松籟Sを逃げ切ったディアスティマの勢いは魅力だが、やはりここでは“格負け感”が否めない。

 着順で振り返っても優勝10頭中9頭、2着は8頭が前走で5着以内。アリストテレスの2秒2差7着は、特殊な馬場に苦しんだにせよ負け過ぎの感が強い。

(2)年齢 過去10年の天皇賞・春における年齢別の成績は次の通り。

 4歳 【4・2・4・37】
 5歳 【5・3・0・37】
 6歳 【1・4・3・27】
 7歳上【0・1・3・29】

 4~5歳が有利なのは明白。唯一、6歳で優勝したのは15年ゴールドシップ。出走の時点で既にG15勝をマークしていた。長丁場は短距離に比べると高齢馬が活躍する印象だが、極限のポテンシャルを要求されるG1では加齢による衰えは見過ごせない。阪神大賞典2着ユーキャンスマイル、3着ナムラドノヴァンは6歳。有力ステップでの好走は評価したいが、本番では狙いにくい。

 (3)実績 近年は人気薄の激走も目立つが、優勝馬は全て牡馬クラシックで3着以内の好走歴があった。過去10年で連覇だった3回を除く7回の優勝馬でゴールドシップ、キタサンブラック、フィエールマンは菊花賞馬。他の4頭もヒルノダムール=皐月賞2着、ビートブラック=菊花賞3着、フェノーメノ=ダービー2着、レインボーライン=菊花賞2着の実績があった。阪神大賞典を5馬身差で圧勝し上位人気確実なディープボンドだが、昨年のクラシックでは10→5→4着。勢いと成長力は認めても、歴代の優勝馬と比べると3歳時の実績が少し見劣る。

 (4)牝馬 今年の最大のポイントはここ。ウインマリリン、カレンブーケドールの牝馬2頭が日経賞でワンツーを決めて臨む。ただ、データからは牝馬は消し。天皇賞・春の長い歴史の中で、牝馬の優勝は53年(昭28)のレダ1頭のみ。84年グレード制導入以降は23頭が挑戦したが掲示板(5着以内)に載ったことすらない。両馬共に55キロで同世代同士のオークス2着の好走歴があるが56キロは未経験。ブーケドールは54キロまでなら牡馬相手の2着があるが、55キロの20年ジャパンC、有馬記念では4、5着と馬券圏内を外している。

 《結論》全項目をクリアしたのはワールドプレミア。信頼の5歳牡馬にして菊花賞馬。前走・日経賞3着も重量の軽い牝馬相手に1/2馬身+首差3着なら問題ない。アリストテレスは前走、ディープボンドはG1実績の減点のみで続く。怖いのはやはり牝馬。データ上は消しだが、サンプル数が少ないのも事実。近年の牝馬は歴史的快挙をいとも簡単にやってのける傾向がある。手塚、国枝と天皇賞・春V経験のある厩舎。データでは推し量れない激走があるか…。

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2021年4月27日のニュース