【フェブラリーS】アルクトス 砂の“一番星”へ!坂路4F51秒8で2馬身先着「昨年とは全然違う」

[ 2021年2月18日 05:30 ]

<フェブラリーS>坂路併せで追い切り好時計をマークしたアルクトス(右)(撮影・西川祐介)
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 晴天の美浦。陽光差し込む坂路を、アルクトスが重戦車のごとく駆け上がった。ナンノコレシキ、タイドオブタイム(ともに3歳未勝利)を大きく前に見てのスタート。500キロを優に超える巨体は、僚馬2頭の遥か後方からどんどん大きくなる。10馬身以上あった差は瞬く間になくなった。4F51秒8~1F12秒2。最後は鞍上の田辺が手綱を抑える余裕を見せながらも2馬身先着した。

 「最初から最後まで思い通りの手応えだった。時計もバッチリ。叩いた効果で走りがしっかりしている」。田辺の表情は明るかった。ジャッジが正確で“辛口”と知られる37歳。前走・根岸S(4着)の追い切り後は「まだまだ」と渋かったが一変した。「前回は体も息遣いも重量(59キロ)も重かった。軽いところが何もなかった。今回は違う」。軽妙な語り口に自信がみなぎる。

 鞍上にとって、フェブラリーSはG1初勝利(14年コパノリッキー)の思い出のレース。東京ダート1600メートルでは近5年でルメール、戸崎に次ぐ38勝を挙げている。得意コース攻略はすでにイメージ済みだ。「正解かは分からないけど、このコースはスタートを出てから展開に合わせてどの位置を取るかを考えられる馬が強い。それを考慮して短い距離の前哨戦を使って自在性を補った。気持ちが入ったし、マイルに戻ればポジションを選べると思う」。イチかバチかの逃げしか選択肢がなかった昨年(9着)とは、作戦の幅に雲泥の差がある。

 見守った栗田師も、馬名の由来である北斗七星をあしらったアルクトスジャンパーを着用して気合十分。「1回使って型通りに気持ち、心肺機能、集中力が増した。東京マイルは馬にとって最適の舞台。昨年とは調整過程が全然違う。こんなチャンスはない」。南部杯でのG1初制覇から4カ月。再びダート界の一番星になる準備は整った。

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