【平塚・KEIRINグランプリ】和田 初出場V!逆転で初の賞金王に輝く「まだ実感ない」

[ 2020年12月31日 05:30 ]

<KEIRINグランプリ>優勝し、表彰台でシャンパンファイトをする和田(撮影・篠原岳夫)
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 和田健太郎が初出場Vを決めた――。「KEIRINグランプリ2020」が30日、平塚競輪場で行われ、和田健太郎(39=千葉・87期)が優勝。賞金1億340万円を獲得してトップを走っていた松浦悠士を逆転して初の賞金王に輝いた。初出場でグランプリを制覇したのは13年の金子貴志以来。なお、2着は脇本雄太で2車単<4><2>は2万20円(55番人気)、3連単<4><2><9>は22万1650円(419番人気)で大波乱の決着となった。

 脇本―平原で逃げて松浦に郡司が5番手。新田が7番手は予想された展開だ。

 「あのような展開になるのは郡司君と話していた。あとは郡司君の直感に任せていました」

 しかし郡司は清水のけん制を受けて失速。「彼がキツそうだったので、あとは内を行けるところまで行こうと」。松浦が仕掛けて外に浮き、続く清水が内に踏み込む。この瞬間にビクトリーロードが見えた。空いたインを一気に伸び切り、初出場で栄光のゴールを駆け抜けた。決してエリートとは言えない努力の人が競輪界の頂点に立った瞬間だった。

 「周回中は間違えないように自分で回数を数えていました。本当にうれしいの一言ですが、正直、獲ったという実感がない。まだフワフワしています」

 競輪学校順位は29位。記念VがあるのみでビッグレースのVはない。今回のグランプリ出場も獲得賞金を積み重ねてのものだった。9選手の中ではあくまで伏兵の存在。それは2車単、3連単の払い戻しがグランプリ最高額ということからも分かる。それでも地道な努力がもたらせた一瞬の判断力とタテの威力が、自転車競技のエリートの脇本と新田、タイトルホルダーの平原、松浦を破る大金星につながった。

 新年からは毎レース1番車のチャンピオンユニホームを着ての走りになる。「位置も取らないといけないし責任もある。気が重たいです」

 どこまでも謙虚だ。それでも一度出場すれば、どの選手も雰囲気に感激し必ず出たいのがグランプリだ。「来年も自分の車券を買っていただいて、またグランプリに来たいと思います」

 最後も誠実な姿勢を崩さない。さらなる地力アップを果たし、南関ラインの司令塔として競輪界を引っ張っていく。

 ◆和田 健太郎(わだ・けんたろう)1981年(昭56)5月27日生まれ、千葉県印旛郡酒々井町出身の39歳。私立千葉経済大付属高卒。02年8月プロデビュー。通算成績は1624戦305勝。通算取得賞金は5億5590万円。1メートル72、78キロ。血液型A。主な優勝はグランプリ(20年)。

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