【10大ニュース】1位 無観客競馬 欧米では相次ぎ中止も日程通り“完走”

[ 2020年12月31日 05:30 ]

無観客開催となった今年の日本ダービー

 コロナ禍で競馬の世界も揺れた2020年。大みそかは恒例のスポニチ選定「JRA10大ニュース」で一年を振り返る。牡牝無敗3冠馬誕生、女王アーモンドアイの9冠、白毛馬のG1初制覇、武豊や藤沢和師、藤田菜七子の快挙などトピック満載だったが、1位は戦後初の「無観客競馬」。コロナと向き合う一年を象徴する出来事だった。

 JRAは新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、2月29日から全競馬場の開催を無観客で実施した。新潟サマーシリーズでは県内在住者限定での入場再開を打ち出したが感染拡大により中止。コロナの収束が見えない中、無観客競馬は7カ月余に及んだ。無観客の開催は能力検定競走として主要競走が行われた戦時中の1944年以来だった。

 全国のウインズ、J―PLACEも7月11日以降に制限付きで順次再開されるまで閉鎖された。ワールドオールスタージョッキーズなどの騎手交流戦や競馬場内外のイベントも中止に。競馬場にファンが戻ったのは10月10日。事前の指定席購入者限定で東京、京都、新潟競馬場の入場が再開されたが、その後も密を避けるため大幅に入場を制限。ジャパンC当日の東京競馬場は4604人(前年8万826人)、有馬記念当日の中山競馬場は3516人(前年9万374人)にとどまった。

 競馬サークルでも猛威を振るったコロナ禍。欧米の競馬が相次いで中止となる中、中央競馬は騎手の感染がなかったため日程通りに施行できた。競走馬の他ブロックへの出走制限や騎手の移動制限(いずれも4月18日~5月31日)などの対策も感染防止につながった。

 JRAの今年の売り上げは対前年比103・4%の約2兆9927億円。競馬場やウインズに入場できなかったため現金投票は対前年比25・2%にとどまったが、ネット投票が同135・5%と飛躍的に伸びた。コロナ禍での巣ごもり需要が売り上げ増の要因とみられる。来年も入場を制限して開催されるが、巣ごもり特需は続きそうだ。

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