キタサンブラック殿堂入り!18年カナロア以来34頭目 北島オーナー喜び「3年間は夢のような時間」

[ 2020年6月10日 05:30 ]

17年の有馬記念で有終Vを飾ったキタサンブラックと鞍上の武豊、北島三郎オーナー(左から2人目)
Photo By スポニチ

 JRAは9日、2020年度の顕彰馬にキタサンブラック(牡8)を選出したと発表した。18年選出のロードカナロア以来で34頭目。現役時代は16、17年天皇賞・春連覇、17年有馬記念などG1・7勝を挙げ、総獲得賞金18億7684万3000円は史上最多。対象初年度の昨年は惜しくも選ばれなかったが、有効投票196票のうち158票(得票率80・6%)を獲得し、2年目で順当に選出された。

 顕彰馬選出に必要な得票は投票数の「4分の3」。18年に引退したキタサンブラックは選出対象初年度の昨年は5票足りず選出されなかったが、今年は得票率80・6%で選出。オーナーの歌手・北島三郎(83)は「このたびは顕彰馬に選出いただきまして、大変うれしく心より御礼を申し上げます。振り返れば、キタサンブラックと過ごした3年間は夢のような時間でした。表彰式に向かうターフの上で、満員のお客さまより多大なる声援をいただいた情景を思い出すと今でも胸が熱くなります」と喜びのコメントを寄せた。

 通算20戦12勝。G1初制覇を果たした15年菊花賞を皮切りに、常に中長距離の王道で主役を演じ続けた。北島オーナーはキタサンブラックを「息子」と呼んで積極的に情報を発信。菊花賞を制した際には5万人のファンを前にウイナーズサークルで「まつり」を熱唱するなど、競馬ファン以外からも注目された。ラストランだった17年クリスマスイブの有馬記念で感動的な有終Vを飾り、史上最多タイの芝G17勝。管理した清水久師は「デビューから3年間、ケガや病気もせず、こちらが組み立てたローテーションを一度も休むことなく無事に走り続け、素晴らしい成績を残した」と振り返った。

 古馬になって以降の主戦を務めた武豊は「殿堂入りは重みが違います」と切り出した。戦前からの中央競馬の全馬を対象として34頭目。一時代を築いた馬だけに送られる最高の栄誉だけに「実力と人気があって賞金獲得額が歴代No・1。殿堂入りにふさわしいスーパーホースだと思います」と改めて称賛。「北島三郎オーナーや清水久調教師もそうでしょうが、ジョッキーとして僕も喜びをかみしためたいと思います」と語った。

 ▽顕彰馬 84年に日本中央競馬会30周年記念事業として制度が発足。中央競馬の発展に多大な貢献があった馬の功績を称え表彰する「競馬の殿堂」。99年までは顕彰馬選考委員会の審議により選定。00年以降は報道関係者の投票で全体の3/4以上の得票で選定されている。顕彰馬のブロンズ像が東京競馬場内の競馬博物館に展示される。

 ◆キタサンブラック 父ブラックタイド 母シュガーハート(母の父サクラバクシンオー)2012年3月10日生まれ 牡8歳 栗東・清水久厩舎所属 馬主・大野商事 生産者・北海道日高町ヤナガワ牧場 戦績20戦12勝 総獲得賞金18億7684万3000円。

続きを表示

2020年6月10日のニュース